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  • モデスト・ペトローヴィチ・ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』は、極めて独創的なピアノ曲であり、ロシアの器楽曲の中で最も有名な旋律を持つ作品の一つである。作曲されたのは1874年。1873年に建築家であり画家でもあった友人ヴィクトル・ハルトマンが亡くなった翌年、その遺作展に足を運び、そこに展示されていた絵、デザイン、スケッチなどを見たことが作曲の動機につながっ...

    [続きを読む](2017.11.05)
  • 2017年10月にトム・ペティが66歳の若さで亡くなったというニュースを耳にした時、筆者が最初に思い出したのは、ザ・ストロークスの2001年のシングル「ラスト・ナイト」を巡る一件だ。どう聴いてもトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの「アメリカン・ガール」にそっくりだったあの曲、リリース当初は物議を醸したものだが、トムのリアクションが痛快だった。彼はザ・ストロ...

    [続きを読む](2017.11.16)
  • 太平洋戦争以降の『海軍』(1944年)になると、事情が変わってくる。これは悪名高い映画法の統制下にある、まさに戦意高揚のために作られた作品だ。原作は、獅子文六(岩田豊雄)の新聞連載小説。鹿児島の平凡な少年が海軍を志して見事合格し、真珠湾攻撃で華々しく散るまでの成長物語で、配属将校の菊地少佐(原作では「菊池少佐」)が生徒に伝えた「断じて行へば鬼神も之を避く」と...

    [続きを読む](2017.10.12)
  • 人は現在を生きているが、同時に過去も生きている。その過去が、時折、距離感を失い現在の自分に近寄ってくることがある。何か特別なことが起こって、そういう状態になるのではない。ちょっと目に入った物、会話の中に出てきた言葉などに、記憶や感覚が触発され、過去が存在感を増すのである。現在交わされている会話と、過去の出来事がすぐ隣り合わせになっている梅崎春生の『狂い凧』の...

    [続きを読む](2017.10.28)