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  • 1955年、戦後初めて鉄のカーテンを越えて訪米したソ連のピアニスト、エミール・ギレリスは、各地でセンセーションを巻き起こし、絶賛された時、こう言ったという。「私のことを褒めるのは、リヒテルの演奏を聴くまで待ってください」ーーこれはギレリスの人柄を表すエピソードであり、2人の優劣を示すものではないが、この発言から西側におけるリヒテル伝説が始まったと言える。

    [続きを読む](2021.01.08)
  • ドリー・パートンというアーティストは、日本でどう受け止められているのだろうか。そもそもカントリー・ミュージシャンというだけで多くの人にとっては縁遠いし、故ホイットニー・ヒューストンが歌った「オールウェイズ・ラヴ・ユー」が元々ドリーの曲であることも、あまり知られていないような気がするが、アメリカでは取り敢えず、国宝と呼ぶのが妥当だと思う。1960年を越えるキャ...

    [続きを読む](2021.01.17)
  • 昔のハリウッド映画のヒーローというと、逞しさと強引さが売りのタフガイを連想しがちだが、実際はスマートでソフトな優男も大勢いた。ジェームズ・スチュワートはそのうちの一人であり、代表的な存在である。彼の繊細そうな表情、穏やかで明るい雰囲気、健康的で愛すべき軽妙なキャラクターは、アメリカの老若男女の心を掴んだ。

    [続きを読む](2021.01.04)
  • それまで平凡に暮らしていたのに、突然何か不条理なことと関わり、つい深入りしてしまい、人生の暗部に落ちる人がいる。デヴィッド・リンチ監督の映画『ブルー・ベルベット』(1986年)では、好奇心旺盛な青年ジェフリーがそういう目に遭う。父親が病気になったため、実家に戻ってきた大学生のジェフリー(カイル・マクラクラン)は、ある日、野原で切り落とされた人間の耳を見つける...

    [続きを読む](2020.12.02)