TOPICS

  • モーリス・ラヴェルのピアノ協奏曲は1929年から1931年にかけて作曲され、1932年1月14日、マルグリット・ロンの独奏により初演された。奇しくもラヴェルは1929年に「左手のためのピアノ協奏曲」を書くように依頼され、そちらの作曲も行っていた(完成したのは「左手」の方が早い)。これまでピアノ協奏曲を完成させたことのない作曲家が、晩年になって、同時期に2作を...

    [続きを読む](2021.09.03)
  • レディー・ガガはさる2021年6月に、セカンド・アルバム『ボーン・ディス・ウェイ』(2011年)の10周年記念盤をリリースした。LGBTQ+のアーティストとそのアライ(Ally)による収録曲のカヴァー集を添えて、プライド月間に送り出すという、自由と平等を讃えるアルバムに相応しい演出が成され、非常にガガらしい企画だったと思う。なのにファースト・アルバム『ザ・フ...

    [続きを読む](2021.08.21)
  • 1960年代後半、映画界はテレビの普及によって勢いを失っていた。アメリカン・ニューシネマが流行しても、それは老若男女が楽しめるものではなく、映画館入場者は減る一方だった。そんな時期に、かつての華やかなハリウッドを取り戻そうとばかりに大金を注ぎ込み、人気スターを集め、豪華なセットを組んで製作されたのが、パニック映画である。パニック映画では、CGに頼らない迫力満...

    [続きを読む](2021.08.10)
  • 広津柳浪は善悪をきれいに分けず、勧善懲悪を期待させない。「河内屋」にはその特徴がよく出ている。「河重」の異名を持つ重吉とお染は愛のない結婚をした夫婦である。お染は、かつて重吉の弟の清二郎と惚れ合っていた。その3人が同じ屋根の下に住んでいる。そこへ重吉の愛人お弓が住み着くようになる。お染と、お染を純粋に想い続ける清二郎は哀れな被害者だ。誰もがそう思う。しかし、...

    [続きを読む](2021.09.15)