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  • ハンス・ロスバウトには現代音楽のマイスターというイメージがある。何しろ20世紀の重要作品であるシェーンベルクのオペラ『モーゼとアロン』、ブーレーズの「ル・マルトー・サン・メートル」、クセナキスの「メタスタシス」の世界初演を務めた人なのである。しかし、そのレパートリーは広い。端的に言えば、ラモーからシュトックハウゼンまで手中に収めているのだ。

    [続きを読む](2018.05.03)
  • ロンドンのイーストエンドと言えば、近年はトレンディなエリアとして有名だ。再開発が進んで洒落た店が並び、ファッショナブルな若者たちが行き交っていて、100年ちょっと前にジャック・ザ・リッパーが闊歩した、貧しくて猥雑な下町の面影は消えつつある。そんなヴィクトリア時代のイーストエンドを知るには、チャールズ・ディケンズの小説なんかを読むのが手っ取り

    [続きを読む](2018.05.19)
  • ドキュメンタリーの分野では、パトリシア・グスマン監督の『チリの闘い』三部作(1975年〜1978年)がある。これを観ればクーデターが起こるまでの経緯はほぼ掴める。労働者が多く登場するが、右派(ブルジョワなど)からもコメントをとっている。撮影は文字どおり命がけで行われ、1973年6月29日、クーデター未遂が起こった時には、カメラを向けているアルゼンチン人記者に...

    [続きを読む](2018.04.28)
  • ドン・シーゲル監督の『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)は、宇宙生命体による地球侵略を描いたSFホラーとしては古典に属する作品である。侵略といってもミサイルや怪光線は出てこない。銃声ひとつ鳴らない。全体のトーンは静かでシンプルだが、そこに不気味さがにじんでいる。私は学生時代にこの映画を知り、モノクロ版とカラー版を数え切れないほど観た。

    [続きを読む](2018.05.12)