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  • ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を聴いていると、不思議な気分になることがある。一体全体この巨大な音楽はどこから生まれてきたのだろうかと。作曲者から生まれたものだと言ってしまえばそれまでだが、彼がどういう気持ちで書いていたのか読めないのである。私はそこに一個人の喜怒哀楽や信仰心や創作意欲を超えた自然の意思のようなものを感じ、時折気が遠くなる。

    [続きを読む](2021.06.02)
  • 昭和歌謡の湿り気がつきまとうせいか、若い頃は、男女デュエットにはどうも馴染めなかった。洋楽の世界でも筆者が育った1980年代の男女デュエットと言えば、ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーの「エンドレス・ラヴ」とかジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズの「愛と青春の旅だち」とか、やはりウェットなのが常。オルタナティヴ・ロックのファンには縁のない世界だと信じ...

    [続きを読む](2021.06.22)
  • アラン・ラッドは1940年代から1950年代にかけて活躍した大スターである。出演作の中ではジョージ・スティーヴンス監督の『シェーン』(1953年)が抜きん出て有名だが、ほかにも『拳銃貸します』(1942年)、『青い戦慄』(1946年)、『潜行決死隊』(1946年)、『ネブラスカ魂』(1948年)、『暗黒街の巨頭』(1949年)などで様々な役を好演し、多くのフ...

    [続きを読む](2021.06.11)
  • 初めて観たときのことを思い出す。私は17歳だった。太陽の光に照らされた水平線、ジャン=ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナの囁き声、アルチュール・ランボーの詩――。『気狂いピエロ』のラストカットである。Elle est retrouvée. Quoi?? L'éternité. C’est la mer allée Avec le soleil. みつかった...

    [続きを読む](2021.05.09)