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  • ショスタコーヴィチの交響曲第6番は1939年に作曲され、1939年11月5日にエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮のレニングラード・フィルにより初演が行われた。大成功を収めた前作の第5番に比べると芳しい評価は得られなかったが、ショスタコーヴィチらしい革新性と諧謔性が十全に発揮された傑作である。作曲者自身の言葉によると、第6番は「春や喜びや生命の気分をあらわそうと...

    [続きを読む](2024.07.08)
  • ザ・キラーズが先日ふたつのギネス記録を樹立した。どちらも、2004年に登場したこのファースト・アルバム『ホット・ファス』からの先行シングルであり彼らのデビュー曲にあたる「Mr.Brightside」の、全英チャート上での記録である。2004年6月に100位圏内に初めて顔を見せた「Mr.Brightside」の最高ポジションは10位に過ぎないのだが、現在までに...

    [続きを読む](2024.07.27)
  • ロバート・シオドマクは1940年代のハリウッドでフィルム・ノワールを多く手がけた監督である。夜の場面を撮るのが上手く、光と闇のコントラストを自在に駆使し、無駄のない洗練された演出で娯楽性の高いサスペンスを撮り続けた。代表作を5本挙げるとしたら、『幻の女』(1944年)、『らせん階段』(1945年)、『暗い鏡』(1946年)、『殺人者』(1946年)、『大いな...

    [続きを読む](2024.05.05)
  • 終戦の年、古井は山の手大空襲に遭い、疎開先の岐阜県でも罹災した。その体験は古井作品の重要な主題となり、変奏曲のように様々な作品に様々な形で現れる。初期の「円陣を組む女たち」では、円陣をモチーフにした7つのエピソードが語られる。「私」がなぜ円陣にこだわるのか、その原体験は最後に明かされる。空襲時、爆弾が降り注ぐ中、母や姉、そして見知らぬ女たちが幼い「私」を

    [続きを読む](2024.03.03)