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  • モーツァルトのピアノ協奏曲第23番は美しい調和の音楽である。耳を傾けていると、世界の調和、感情の調和のなかにいるような心地を覚える。アンドレ・ジイドが日記に書いた「モーツァルトのよろこびは清らかに澄み渡っている。音楽のフレーズは、物静かな想いのようだ。その単純さは純粋さにほかならない」という言葉がそのまま当てはまる作品だ。明るいけど陽気すぎず、優しい吐息に包...

    [続きを読む](2021.05.01)
  • すっかり存在を忘れていた――などと言ったら失礼にあたるのかもしれないけど、2021年4月末に新作『Endless Arcade』が控えるティーンエイジ・ファンクラブにインタヴューすることになって、ファースト・アルバム『カソリック・エデュケイション』(1990年)を久々に聴き直してみた。彼らの代表作と言えば通常は、あのクリエイション・レコーズから発表したセカン...

    [続きを読む](2021.04.23)
  • 挑戦的なテーマで数々の名作を手掛けたオーストリア出身の名監督フレッド・ジンネマンは、若い頃ロバート・フラハティの助手を務めていたことがあり、その経験を生涯の糧としていた。自伝にも「フラハティのドキュメンタリー・アプローチは、『山河遥かなり』、『男たち』、『真昼の決闘』、『尼僧物語』、『ジュリア』や他の映画を監督していた時に、私の脳裏にまざまざと甦った。職業的...

    [続きを読む](2021.04.14)
  • 初めて観たときのことを思い出す。私は17歳だった。太陽の光に照らされた水平線、ジャン=ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナの囁き声、アルチュール・ランボーの詩――。『気狂いピエロ』のラストカットである。Elle est retrouvée. Quoi?? L'éternité. C’est la mer allée Avec le soleil. みつかった...

    [続きを読む](2021.05.09)