監督神髄
名監督たちの肖像映画史に名を残す100人の監督論。
今なおファンに愛されている代表作を観ながら
それぞれの作品の特色、映画術をつまびらかにしたい。
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ロバート・シオドマクは1940年代のハリウッドでフィルム・ノワールを多く手がけた監督である。夜の場面を撮るのが上手く、光と闇のコントラストを自在に駆使し、無駄のない洗練された演出で娯楽性の高いサスペンスを撮り続けた。代表作を5本挙げるとしたら、『幻の女』(1944年)、『らせん階段』(1945年)、『暗い鏡』(1946年)、『殺人者』(1946年)、『大いな...
[続きを読む](2024.05.05) -
テレンス・フィッシャーはハマー・フィルム・プロダクションの看板監督だった人である。代表作は、フランケンシュタインとドラキュラのシリーズ。両者とも1930年代に製作されたユニバーサル映画でおなじみの有名モンスターだが、フィッシャーはその物語に新解釈を加え、カラー映像で華々しく復活させた。フィッシャーの作品によってハマー・プロは怪奇映画の名門となり、一時隆盛を極...
[続きを読む](2023.01.16) -
森一生は長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎の主演作を数多く撮った大映の職人監督である。その歩みは常に名物プロデューサー永田雅一と共にあり、まず日活太秦撮影所に入り、その後、第一映画社、新興キネマを経て、大映で活躍した。毎回、永田ラッパ(渾名)は特に説明もなく、「おい、これや。これを何日までにやれ」と言って脚本を森に渡し、後は任せていたという。そうして生まれた映画...
[続きを読む](2021.11.17) -
挑戦的なテーマで数々の名作を手掛けたオーストリア出身の名監督フレッド・ジンネマンは、若い頃ロバート・フラハティの助手を務めていたことがあり、その経験を生涯の糧としていた。自伝にも「フラハティのドキュメンタリー・アプローチは、『山河遥かなり』、『男たち』、『真昼の決闘』、『尼僧物語』、『ジュリア』や他の映画を監督していた時に、私の脳裏にまざまざと甦った。職業的...
[続きを読む](2021.04.14) -
1940年代の作品には、舟橋聖一原作の『木石』(1940年)、藤澤恒夫原作の『新雪』(1942年)などがある。『木石』は伝染病の研究所が舞台で、いつもの庶民派映画という感じはしない。ただ、『木石』で赤木蘭子扮する厳格な女性は、「悪意のない身勝手な男により、苦しい思いをする女」という五所作品らしい女性像に当てはまる。その後、五所は大映に移り、『新雪』をヒットさ...
[続きを読む](2020.09.18)
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