文化 CULTURE

花と冒険[考察・エッセイ]

崖に咲く花はなぜ美しいのか

「文化」についてのエッセイ。
テーマは文学、思想、民俗、絵画、漫画、アイドル、ゲーム、玩具、世相...。
ハイカルチャーとサブカルチャーの境も関係なく、流行も関係なく、
日常の死角にある「文化」を語る。

  • 聖徳太子に夢中だった時期がある。多分一万円札の顔だったことがきっかけだろう。当時はまだ子どもだったので、一万円札を目にする機会があまりなく、それで尊いと感じたのかもしれない。小学六年の時は、夏休みの自由研究の題材にした。いくつかの伝記を読み、テーマを設定し、模造紙四、五枚に書き写したようなもので、大した研究でもなかったが、今振り返ると、

    [続きを読む](2026.02.23)
  • 長屋王は天武天皇の孫である。父は高市皇子。生年は不詳だが、没年は神亀6年(729年)で、『懐風藻』に享年54歳とあることから、天武天皇5年(676年)頃の生まれとみられている。長屋王が歴史の表舞台に出てくるのは、高市皇子が持統天皇10年(696年)に亡くなってから8年後のこと。大宝4年(704年)に正四位上の位階を授かり、和銅2年(709年)に宮内卿、和銅3...

    [続きを読む](2025.04.02)
  • 正宗白鳥は22歳で教会と距離を置くようになった。1901年のことである。自筆年譜にも「この年、基督教を棄てる」と書いているので、棄教したと言って差し支えないだろう。教会から離れた理由は、キリスト教が苛烈な教えであり、その教えに耐えられないと気付いたからである。「私の本性として、殉教にしりごみし、かつ人類愛よりも人類憎に向かって心を動かすことに気づくと、もはや...

    [続きを読む](2024.11.06)
  • 白鳥の小説は虚無的だと言われる。虚無とは便利な言葉である。そのように言っておけば、なんとなく白鳥の本質を言い当てたような気になれる。しかし、何がどう虚無的なのかはっきりしないし、批評として簡単すぎる。ここではなるべく具体的かつ簡潔に、白鳥文学の特徴を明示したい。まず、白鳥の小説には甘さや哀れさがほとんどない。たとえ救いのない話でも、そこまで悲惨に見えない。作...

    [続きを読む](2024.10.17)
  • 何かを絶賛するムードが高まると、否定的な意見を排除しようとする空気が生まれる。「皆が絶賛しているのだから水を差すな」と言う者まで出てくる。しかし、私に言わせれば、絶賛コメントしかない方が気持ち悪い。言論統制をされているわけでもないのだから、批判したい人は、己の信念に従い、批判すればいいのである。明治から昭和にかけて多くの小説、批評を書いた正宗白鳥は絶賛しない...

    [続きを読む](2024.09.15)

月別インデックス