音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • 英国と日本の音楽シーンを知っている範囲内で比べてみた時に如実な差を感じるのは、地方性の有無である。英国にはそれが間違いなくあり、日本の場合は希薄なように感じる。ロンドンが音楽ビジネスの中心地であることは間違いのだが、地方都市出身の英国人アーティストには、どれだけ大きな成功を収めていようと故郷に留まり、地元コミュニティと地元の文化への深い愛情、帰属意識、誇りを...

    [続きを読む](2025.03.26)
  • ツアー活動を引退し、その後の動きに注目が集まっていたエルトン・ジョンがニュー・アルバム『天使はどこに』を発表すると報じられたのは、2025年2月に入ってからのことだ。近年は企画盤が続いたため、新曲ばかりの作品が登場するのは約10年ぶりなのだが、ソロではなく、ソングライティングの段階からコラボしたブランディ・カーライルとの連名アルバムだと聞いて、日本では「ブラ...

    [続きを読む](2025.02.27)
  • 2025年2月2日に授賞式を控える第67回グラミー賞で最優秀アルバムを始め本年最多のノミネーションを誇っているのは、2024年3月にリリースされた最新作『カウボーイ・カーター』で世界をあっと言わせたビヨンセだ。アメリカの南部テキサス州出身の彼女はご存知のように、自分のルーツの一部分と認識しているカントリー音楽に目を向けて『カウボーイ・カーター』を制作。「これ...

    [続きを読む](2025.01.27)
  • 先日テイク・ザットの29年ぶりの来日公演を観ながら、ふとワン・ダイレクションのことを思い出していた。ふたつのグループには共通項が色々あったなと。まずはテイク・ザットのキャリアを振り返ってみると、1991年にデビューした彼らは4年間に8曲の全英ナンバーワン・シングルを生む大成功を収めたわけだが、完璧なアイドルであり続ける重責に耐えられなくなったメンバーがまずひ...

    [続きを読む](2024.12.21)
  • というわけで、しばらくの間ニュースを独占していたアメリカ大統領選挙が終わった。音楽界からはご存知の通り、圧倒的多数のミュージシャンが民主党候補カマラ・ハリス氏への支持を表明。応援活動を行なって話題を呼んだが結局ああいう結果に終わり、「そもそもセレブリティの応援に意味はあるのか?」などという問いかけをメディアで見かけたものだ。確かに、それはそれで厄介な問いかけ...

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