映画 MOVIE
  • ロバート・シオドマクは1940年代のハリウッドでフィルム・ノワールを多く手がけた監督である。夜の場面を撮るのが上手く、光と闇のコントラストを自在に駆使し、無駄のない洗練された演出で娯楽性の高いサスペンスを撮り続けた。代表作を5本挙げるとしたら、『幻の女』(1944年)、『らせん階段』(1945年)、『暗い鏡』(1946年)、『殺人者』(1946年)、『大いな...

    [続きを読む](2024.05.05)
  • アラン・ドロンについて書かれた記事に必ずと言っていいほど出てくるトピックが2つある。1960年の映画『太陽がいっぱい』で人気が爆発したこと、そして美男子の代名詞的存在であることだ。今でも「最高の美男俳優は誰か」と質問されて彼の名前を挙げる人は多い。そのイメージからは、華やかで輝かしい人生しか想像できないだろう。しかし、実際のドロンは順調にスター街道を走り続け...

    [続きを読む](2024.01.19)
  • 世のため人のためにならない悪人どもを、金を貰って殺す。池波正太郎原作の『仕掛人・藤枝梅安』は1972年に発表され、その年のうちにテレビドラマ化された。タイトルは『必殺仕掛人』、初回放送日は1972年9月2日。当時は『木枯し紋次郎』が人気を博していたが、数ヶ月後には視聴率で追い越し、放送が2ヶ月延長され、さらに劇場版も作られた。『必殺仕掛人』のヒットがなければ...

    [続きを読む](2023.09.16)
  • 上原謙は戦前の松竹を代表する二枚目スターである。1935年のデビュー時から絶世の美男子として注目を浴び、佐分利信、佐野周二と共に「松竹三羽烏」と称された。かつて杉村春子は上原のことを「いい男で仰ぎ見るような人」と評していたが、それは誇張でも何でもない。天下の二枚目といえば、まず上原謙である。戦前の代表作は、『有りがたうさん』(1935年)、『浅草の灯』(19...

    [続きを読む](2023.05.15)
  • テレンス・フィッシャーはハマー・フィルム・プロダクションの看板監督だった人である。代表作は、フランケンシュタインとドラキュラのシリーズ。両者とも1930年代に製作されたユニバーサル映画でおなじみの有名モンスターだが、フィッシャーはその物語に新解釈を加え、カラー映像で華々しく復活させた。フィッシャーの作品によってハマー・プロは怪奇映画の名門となり、一時隆盛を極...

    [続きを読む](2023.01.16)

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