音楽 CLASSIC
  • 夕陽にはアランフェス協奏曲がよく似合う。晩夏の太陽が沈んでゆくのを眺めながら、静かにこの曲に耳を傾け、人の世のあわれに思いを馳せるーーまるでドラマのワンシーンのようである。古今東西のギター協奏曲の中で最も有名な作品であるばかりでなく、世界中の人々に愛されている傑作、アランフェス協奏曲。作曲者はホアキン・ロドリーゴ、スペインを代表する盲目の作曲家である。

    [続きを読む](2011.08.24)
  • ピエール・ブーレーズの『ル・マルトー・サン・メートル(主なき槌)』は、1955年6月18日に初演されて以来、戦後生まれた最も画期的な音楽の一つとして評価され続けている。あのストラヴィンスキーが寄せた「今の新しい時代、真に価値ある唯一の作品」という賛辞を筆頭に、賞賛の言葉は数限りなくある。ここまで多くの人に歓迎され、理解を示された「前衛音楽」も珍しいのではない...

    [続きを読む](2011.08.14)
  • シカゴ響との録音の中では、ベートーヴェンとR.シュトラウスの演奏が傑出している。この2人の作曲家のものなら何を聴いてもハズレはないが、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」、第9番「合唱」、序曲「コリオラン」、R.シュトラウスの『英雄の生涯』、『ドン・キホーテ』、『エレクトラ』(抜粋)、『ドン・ファン』(ステレオ盤)は、同曲屈指の名盤として傾聴に値する。奇をて...

    [続きを読む](2011.08.06)
  • フリッツ・ライナーの指揮は動きが小さく、後方にいる楽団員たちからは非常に見づらかったという。そのせいで彼らは常に緊張を強いられ、戦々恐々とし、周囲の音に注意を払っていなければならなかった。その結果として、集中力が極限まで高められ、アンサンブルの緊密さが増し、無駄な贅肉のない音楽が生み出された。指揮棒を1センチ動かすだけで稲妻のような強奏を炸裂させるそのスタイ...

    [続きを読む](2011.08.05)

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