音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • モーツァルトのピアノ協奏曲第24番は1786年3月24日に書き上げられ、同年4月7日にウィーンでの予約演奏会で初演された。調性はハ短調。この時期はピアノ協奏曲の収穫期で、1784年から1786年までの3年間で12作品(第14番から第25番まで)が書かれた。ちなみにニ短調の第20番は1785年2月10日に完成させている。第24番の管弦楽の響きにはしっかりとした...

    [続きを読む](2023.06.09)
  • モーツァルトのピアノ協奏曲第15番は1784年3月15日に完成し、同月24日の予約制演奏会で作曲者自身の独奏によって披露された。これまで書いてきたピアノ協奏曲に比べると、オーケストラの編成は大きく、管弦楽の響きが多彩になり、ピアノの難易度も「ひと汗かかせる」(作曲者の言葉)レベルにまで上がっている。この作品は先輩作曲家フランツ・クサヴァー・リヒターに褒められ...

    [続きを読む](2023.05.06)
  • ショパンは1838年11月にジョルジュ・サンドと共にマヨルカ島へ行き、3ヶ月ほど過ごした。悪化した体調を回復させることが主な滞在目的だったが、ショパンは環境に馴染めず、精神的なストレスも重なり、病状は良くならなかった。しかし、その間も作曲を行い、1839年1月に完成させたのが「24の前奏曲」である。作曲にあたり、ショパンが参考にしたのはJ.S.バッハの平均律...

    [続きを読む](2023.03.04)
  • ベートーヴェンは1805年から1806年にかけて3作の弦楽四重奏曲を作曲した。これらはラズモフスキー伯爵に献呈されたことから、『ラズモフスキー四重奏曲』と呼ばれている。弦楽四重奏曲第7番はその第1曲目にあたり、「ラズモフスキー第1番」とも表記される。作曲時期は1806年4月から7月。同年にはヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲第4番が書かれている。30代半ばにな...

    [続きを読む](2023.01.04)
  • セザール・フランクの「前奏曲、コラールとフーガ」は1884年に作曲され、1885年1月24日もしくは25日にマリー・ポアトヴァンによって初演された。フランクは若い頃ピアニストとして才能を開花させ、ピアノ曲も書いていたが、25歳の時(1847年)にオルガニストに転向した。それからは他の楽器のために書いた作品をピアノ用に編曲することはあったが、あくまでも編曲であ...

    [続きを読む](2022.12.04)

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