音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • モデスト・ペトローヴィチ・ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』は、極めて独創的なピアノ曲であり、ロシアの器楽曲の中で最も有名な旋律を持つ作品の一つである。作曲されたのは1874年。1873年に建築家であり画家でもあった友人ヴィクトル・ハルトマンが亡くなった翌年、その遺作展に足を運び、そこに展示されていた絵、デザイン、スケッチなどを見たことが作曲の動機につながっ...

    [続きを読む](2017.11.05)
  • モーツァルトの交響曲第39番は1788年6月26日に完成された。創作動機は明らかになっていないが、予約演奏会のために作曲され、実際に演奏もされたのではないかと言われている。はっきりしているのは、この時期、わずか2ヶ月の間に第39番、第40番、第41番「ジュピター」という三大交響曲が立て続けに生み出されたこと、つまりモーツァルトの創作意欲が驚異的に高まっていた...

    [続きを読む](2017.10.01)
  • ガブリエル・フォーレのヴァイオリン・ソナタ第1番は1875年から1876年にかけて作曲され、1877年1月27日に国民音楽協会の演奏会で、マリー・タヨーのヴァイオリンにより初演された。伴奏を務めたのは作曲者自身である。「期待を遥かに越える成功」(フォーレの言葉)を収めたこの初演の後、師であるサン=サーンスは、「子供が成長して自分の手元を離れてゆく時に覚える母...

    [続きを読む](2017.09.10)
  • イーゴリ・ストラヴィンスキーの『結婚』は、1914年に着手され、幾度かの中断を経て、1923年4月6日に書き上げられた。自伝によると、当時ストラヴィンスキーは楽器編成の問題で悩み、結論を出すのを後回しにしていたらしい。そして、「初演の日が最終的に決められて切迫した状態になれば何か解決法を思いつくだろうと当てにしていた」。その後、セルゲイ・ディアギレフ主宰の

    [続きを読む](2017.08.02)
  • ガエターノ・ドニゼッティの『ランメルモールのルチア』は、1835年9月26日にナポリ・サン・カルロ劇場で初演され、大成功を収めた。すでに『アンナ・ボレーナ』『愛の妙薬』『ルクレツィア・ボルジア』で知られていたこの作曲家の名前は、『ルチア』でオペラ史の数ページを華々しく飾るものになったと言える。後半には、プリマドンナの高度な表現力と超絶技巧が求められる長大な「...

    [続きを読む](2017.06.06)