音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • ベートーヴェンの交響曲第4番は1806年に作曲され、1807年3月に初演された。かつてシューマンは、有名な第3番と第5番の間に生まれたこの作品を、「北欧の2人の巨人に挟まれた清楚可憐なギリシャの乙女」と呼んだ。美しい呼称である。しかし、第2楽章はともかく、全体的にはベートーヴェンらしい力強さと緊張感をたたえた力作で、その構成も(第5番以上とは言えないまでも)...

    [続きを読む](2017.05.29)
  • ベートーヴェンの交響曲第1番は、遅くとも1800年3月までに書かれ、同年4月2日に作曲者自身の指揮により初演された。30歳を迎える前にようやく最初の交響曲を完成させたわけだが、これが嚆矢となり、ベートーヴェンは30代の間に第2番から第6番「田園」まで書き上げることになる。第1番の作風については、ハイドン、モーツァルトの影響から脱し切れていない頃の若きベートー...

    [続きを読む](2017.05.12)
  • ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが珍しくドイツ語の詩に曲をつけた声楽作品『9つのドイツ・アリア』は、三つの美が完全に一体となった傑作だ。すなわち美しい旋律、美しいドイツ語の響き、美しい詩の世界である。テキストに使われたのは、バルトルト・ハインリヒ・ブロッケスの詩集『神におけるこの世の喜び』。選ばれた9つの詩の大半は、きらめく波や甘い香りの花といった美しい自然...

    [続きを読む](2017.04.24)
  • アントニオ・ヴィヴァルディの『四季』は、1725年に出版された『和声と創意への試み』の中に収録されている最初の4曲、「春」「夏」「秋」「冬」を指す。それぞれの曲は、作者不明のソネットをもとにした一種の「標題音楽」で、春の喜び、夏のけだるさと激しい嵐、秋の収穫の祝いと狩猟、冬の寒さと暖炉がある室内での安らぎなどが描写される。バロック期の標題音楽の多くが、解説を...

    [続きを読む](2017.04.02)
  • ショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調は、1830年3月に第2番へ短調が初演された後、本格的に着手された。番号と作曲順が合わないのは、第1番の方が先に出版されたことによる。なので、ショパン自身は、第1番の方を「新しいコンチェルト」「二番目のコンチェルト」と呼んでいた。当時20歳のショパンは、ワルシャワ音楽院声楽科の生徒コンスタンツィア・グワドコフスカに恋していた...

    [続きを読む](2017.02.10)