音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • 口ずさんでいるだけで楽しい気分になる歌がある。その歌があれば、殺風景な道を歩いている間も、ピクニックで野山を闊歩しているような心持ちになってくる。「フニクリ・フニクラ」とは、まさにそんな歌である。民謡のように親しまれている「フニクリ・フニクラ」だが、元々は1880年にヴェスヴィオ山に登山電車が敷設された時、観光客を呼ぶために作られたコマーシャル・ソングである...

    [続きを読む](2012.07.21)
  • バッハの4つの管弦楽組曲がいつ書かれたのか、はっきりしたことはわかっていない。ケーテン時代(1717年〜1723年)の作という説が有力ではあるが、第1番や第4番に関しては、それより後に作曲されたのではないかとみる人も多い。また、「管弦楽組曲」というのも正式名称ではなく、当時は「序曲」と呼ばれていたらしい。なぜ「序曲」なのか。例えば、第2番の場合、「序曲、ロン...

    [続きを読む](2012.07.10)
  • ストラヴィンスキーはヴィヴァルディのことを「同じ協奏曲を400曲も書いた」と評した。どれもこれも同じにしか聞こえないという皮肉である。たしかに、作品3『調和の霊感』、作品4『ラ・ストラヴァガンツァ』、『四季』を含む作品8『和声と創意への試み』、作品9『ラ・チェトラ』を目隠しで聴いて、どの曲がどの協奏曲集の何番目の作品の何楽章かいい当てることができる人は、

    [続きを読む](2012.07.01)

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