音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • モーリス・ラヴェルの弦楽四重奏曲は、1902年から翌年にかけて作曲された。初演が行われたのは1904年3月5日。反響は上々で、多くの人がまだ20代の若きラヴェルの才能を称えた。何しろあの辛辣なドビュッシーが「音楽の神と私の名において、君の四重奏曲の一音符たりとも変更してはなりません」と忠告したというから驚くほかない。しかし、ラヴェル自身は仕上がりに満足してお...

    [続きを読む](2014.08.25)
  • ベートーヴェンが完成させた9つの交響曲のうち、第8番だけは誰にも献呈されていない。この事実は誰かのために作曲されたわけではないことを意味するのだろうか。それとも献呈する相手がいなくなったことを意味するのだろうか。 作曲時期は1812年。第7番をほぼ書き上げた後、保養地テープリッツ滞在中に着手し、年内に完成させたとみられている(初演は1814年2月27日)。ベ...

    [続きを読む](2014.08.04)

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