音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが珍しくドイツ語の詩に曲をつけた声楽作品『9つのドイツ・アリア』は、三つの美が完全に一体となった傑作だ。すなわち美しい旋律、美しいドイツ語の響き、美しい詩の世界である。テキストに使われたのは、バルトルト・ハインリヒ・ブロッケスの詩集『神におけるこの世の喜び』。選ばれた9つの詩の大半は、きらめく波や甘い香りの花といった美しい自然...

    [続きを読む](2017.04.24)
  • アントニオ・ヴィヴァルディの『四季』は、1725年に出版された『和声と創意への試み』の中に収録されている最初の4曲、「春」「夏」「秋」「冬」を指す。それぞれの曲は、作者不明のソネットをもとにした一種の「標題音楽」で、春の喜び、夏のけだるさと激しい嵐、秋の収穫の祝いと狩猟、冬の寒さと暖炉がある室内での安らぎなどが描写される。バロック期の標題音楽の多くが、解説を...

    [続きを読む](2017.04.02)

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