音楽 CLASSIC

匠の森

不滅の指揮者・演奏家

20世紀は「指揮者」と「演奏家」の時代と言われる。
神がかった才能と魔物のような個性を持った表現者が続々と現れ、聴衆を魅了した世紀。
ここではそのうち何人紹介することが出来るかわからないが、
なるべく濃い密度で、音楽の「匠」たちのプロフィールと遺産を紹介していきたい。
文●阿部十三

  • ブルーノ・ワルターはクラシック音楽を聴きはじめた人の前に、モーツァルトやベートーヴェンの作品の指揮者として現れる。そして、ライナーノーツやレビューに書かれている「温厚な人柄」「モラリスト」といった人物評により、大指揮者には稀な人格者のイメージを植え付けられる。これはワルター受容の一つのパターンと言えるだろう。しかし、そんな人物像を前提にして音源をあれこれ聴い...

    [続きを読む](2016.12.11)