文化 CULTURE

花と冒険[考察・エッセイ]

崖に咲く花はなぜ美しいのか

「文化」についてのエッセイ。
テーマは文学、思想、民俗、絵画、漫画、アイドル、ゲーム、玩具、世相...。
ハイカルチャーとサブカルチャーの境も関係なく、流行も関係なく、
日常の死角にある「文化」を語る。

  • 人は現在を生きているが、同時に過去も生きている。その過去が、時折、距離感を失い現在の自分に近寄ってくることがある。何か特別なことが起こって、そういう状態になるのではない。ちょっと目に入った物、会話の中に出てきた言葉などに、記憶や感覚が触発され、過去が存在感を増すのである。現在交わされている会話と、過去の出来事がすぐ隣り合わせになっている梅崎春生の『狂い凧』の...

    [続きを読む](2017.10.28)
  • 『新帰朝者の日記』では、西洋化の現状について、「日本の学者は西洋と違つて皆貧乏ですから、生活問題と云ふ事が微妙な力で其の辺の処を調和させて行くのです」と妥協的なことを言う者に対し、帰朝者は「いつの世も殉教者の気概がなけりやア駄目です」と突っぱねる。その際、作者は謙遜してこの言葉を「書生の慨嘆」と表現した。たしかに「殉教者の気概」は大げさな表現だが、その後の荷...

    [続きを読む](2017.09.02)
  • 大正3年から書かれた永井荷風の『日和下駄』には、「一名 東京散策記」という副題が付いている。その副題の通り、これは作者が地図を片手に散歩し、東京の風物を記す内容で、日本語を知る読者をして風景描写の粋を味到せしむるものである。しかし、無目的な散歩の書ではない。江戸趣味の荷風が手にしている地図は、「石版摺の東京地図」ではなく、「嘉永板の江戸切図」である。彼はあち...

    [続きを読む](2017.08.26)
  • 話は変わるが、2014年11月にグループを卒業し、芸能活動を休んでいた元リーダーの道重さゆみが「再生」を宣言したのは2016年11月のこと。それから4ヶ月後の今年3月、ラジオ番組に出演して本格的に再始動し、丸の内COTTON CLUBで「SAYUMINGLANDOLL〜再生〜」を開催した。SEでホルストの『惑星』が流れた後、「『コンサート』でも『ミュージカル...

    [続きを読む](2017.07.29)
  • モーニング娘。は1997年9月に結成され、1998年1月にメジャーデビューした。そして今は2017年7月。結成から丸20年が経とうとしている。そんな記念すべき年であることを踏まえてのことなのか、この半年余りの間にさまざまな出来事があった。コンサート、CDのリリース、演劇の舞台だけでも私には十分なのだが、そういうわけにもいかないらしい。今となっては、

    [続きを読む](2017.07.22)