文化 CULTURE

花と冒険[考察・エッセイ]

崖に咲く花はなぜ美しいのか

「文化」についてのエッセイ。
テーマは文学、思想、民俗、絵画、漫画、アイドル、ゲーム、玩具、世相...。
ハイカルチャーとサブカルチャーの境も関係なく、流行も関係なく、
日常の死角にある「文化」を語る。

  • みんなで示し合わせてこの時代を選び、集結したのではないか。そう思いたくなるほど、江戸の寛政・文化・文政期には、多くの天才絵師が活躍していた。ちょっと名前を挙げるだけでも、喜多川歌麿、葛飾北斎、写楽、歌川豊国、歌川国貞、歌川広重、歌川国芳とビッグネームが並ぶ。寛政3年(1791年)、武士の家に生まれ、狩野白珪斎と菊川英山に絵を学び、曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』...

    [続きを読む](2021.07.10)
  • 初めて観たときのことを思い出す。私は17歳だった。太陽の光に照らされた水平線、ジャン=ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナの囁き声、アルチュール・ランボーの詩――。『気狂いピエロ』のラストカットである。Elle est retrouvée. Quoi?? L'éternité. C’est la mer allée Avec le soleil. みつかった...

    [続きを読む](2021.05.09)
  • 谷崎潤一郎の『人面疽』は、『新小説』(1918年3月号)に掲載された怪奇風味の短編小説である。不気味な映画の謎に迫るサスペンスフルな話でありながら、特異な美意識が注ぎ込まれていて、その味わいは神秘的とも猟奇的とも言える複雑なものとなっている。後に映画製作に関わることになる谷崎は、当初これを映画化の第一作目として考えていた。

    [続きを読む](2021.03.13)
  • 幼い頃、田舎の実家に行き、薄暗い廊下から2階へと続く狭い階段を見上げたとき、何か不思議なものを見るような感覚に襲われた。それはコンクリートのマンションに住んでいた私にとって、日本家屋の2階というものを意識した初めての体験だった。私は何とも言いようのない違和感を抱き、階段から目を背けた。その違和感は8歳くらいから好奇心に変わったが、それまで2階というのはちょっ...

    [続きを読む](2021.01.27)
  • それまで平凡に暮らしていたのに、突然何か不条理なことと関わり、つい深入りしてしまい、人生の暗部に落ちる人がいる。デヴィッド・リンチ監督の映画『ブルー・ベルベット』(1986年)では、好奇心旺盛な青年ジェフリーがそういう目に遭う。父親が病気になったため、実家に戻ってきた大学生のジェフリー(カイル・マクラクラン)は、ある日、野原で切り落とされた人間の耳を見つける...

    [続きを読む](2020.12.02)

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