文化 CULTURE

花と冒険[考察・エッセイ]

崖に咲く花はなぜ美しいのか

「文化」についてのエッセイ。
テーマは文学、思想、民俗、絵画、漫画、アイドル、ゲーム、玩具、世相...。
ハイカルチャーとサブカルチャーの境も関係なく、流行も関係なく、
日常の死角にある「文化」を語る。

  • 「ツィヴィールクラージェ」というドイツの言葉がある。市民の(Zivil)勇気(courage)で、Zivilcourage。『飛ぶ教室』(2018年冬号)に掲載された那須田淳氏の「眠りの精とツィヴィールクラージェ」によると、ナチス政権の時代に反ナチの立場で抵抗した「白バラ」の活動などから広まった言葉で、ドイツの子どもの文化や教育の根底を支えている理念だという...

    [続きを読む](2020.01.13)
  • 中島敦の『光と風と夢』は、作家ロバート・ルイス・スティーヴンソンの日記という体裁で書かれている。しかし、その言葉はあくまでも中島自身のもの、彼の思想ないし信条の投影である。「私は、小説が書物の中で最上(或いは最強)のものであることを疑わない。読者にのりうつり、其の魂を奪い、其の血となり肉と化して完全に吸収され尽すのは、小説の他にない」哲学書や思想書ではなく、...

    [続きを読む](2019.12.28)
  • 前作の失敗を踏まえ、設定やストーリーを改良し、2作目『狼男』(1941年)が製作された。主演は怪優ロン・チェイニーの息子、ロン・チェイニー・ジュニアである。これが大ヒットし、ようやく人狼はホラー映画の定番モンスターとなった。『狼男』の主人公ラリー(ロン・チェイニー・ジュニア)も、やはり人狼に咬まれた哀れな男だ。気のやさしい大男で、情けないところもある。

    [続きを読む](2019.11.28)
  • 三大モンスターといえばドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男である。しかし、狼男はビジュアルが毛むくじゃらな動物で、不気味な雰囲気やオリジナリティに欠ける。ドラキュラとフランケンシュタインには、それぞれブラム・ストーカー、メアリー・シェリーが書いた超有名小説があるのに、それらに匹敵する「狼男が主人公」の文学作品がないのも物足りない。デュマの『狼使い』があると...

    [続きを読む](2019.11.26)
  • フランスの思想家ジョゼフ・ド・メーストルは、社会の秩序のためには刑吏(処刑人)の存在が不可欠であると考えていた。「あらゆる偉大さ、あらゆる権勢、あらゆる従属は、刑吏に基礎をおいている。彼は人間社会の恐怖であり、また、その鎖なのである。世界からこの不可解な存在を取り除いてみるがよい。たちどころに、秩序は混乱たる状態にかわり、王座はくつがえり、社会は消えるだろう...

    [続きを読む](2019.10.27)

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