映画 MOVIE
  • 昔のハリウッド映画のヒーローというと、逞しさと強引さが売りのタフガイを連想しがちだが、実際はスマートでソフトな優男も大勢いた。ジェームズ・スチュワートはそのうちの一人であり、代表的な存在である。彼の繊細そうな表情、穏やかで明るい雰囲気、健康的で愛すべき軽妙なキャラクターは、アメリカの老若男女の心を掴んだ。

    [続きを読む](2021.01.04)
  • マリオ・バーヴァが監督・脚本・撮影を務めた本格的なスプラッター映画である。1971年に公開され、多くのフォロワーを生んだこの先駆的作品は、残酷描写と映像美にあふれているだけでなく、ストーリーが巧みに構築されていることもあって、一個の作品として繰り返し鑑賞するにたえるクオリティを持っている。一人の殺人鬼が恐怖をもたらす

    [続きを読む](2020.12.22)
  • 吉村公三郎監督によると、初めて品川駅で「美しい少女」を見かけた時、「あんな娘が女優だったらなあ」と仕事仲間と語り合っていたという。その後、彼女が松竹大船撮影所でダンスを教えている先生だと知ると、吉村監督とスタッフたちは稽古場に押しかけ、映画に出演するよう口説いた。とはいえ、相手は素人である。演技指導のやり方は、「少し上を向いて、目線は数センチ下にして」という...

    [続きを読む](2020.11.01)
  • 1940年代の作品には、舟橋聖一原作の『木石』(1940年)、藤澤恒夫原作の『新雪』(1942年)などがある。『木石』は伝染病の研究所が舞台で、いつもの庶民派映画という感じはしない。ただ、『木石』で赤木蘭子扮する厳格な女性は、「悪意のない身勝手な男により、苦しい思いをする女」という五所作品らしい女性像に当てはまる。その後、五所は大映に移り、『新雪』をヒットさ...

    [続きを読む](2020.09.18)
  • 五所平之助はロケ先でキャラメルや南京豆、焼き芋を買い込んで、皆と一緒に食べることを好んだという。特に好物だったのが焼き芋で、その理由について、「私は焼いもの庶民的な土の香りが好きで、栗より美味いという、素朴な、心をゆたかにうるおしてくれる母心のような風味は忘れられない」(「焼いもとドーナッツ」)と書いている。そんな彼自身の嗜好と、彼の作品の雰囲気は見事にだぶ...

    [続きを読む](2020.09.12)

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