映画 MOVIE
  • 時代劇の殺陣に最も大きな革新をもたらしたのは、黒澤明監督の『七人の侍』(1954年)と内田吐夢監督の『血槍富士』(1955年)ではないだろうか。一方は雨の中で集団と集団が泥まみれになりながらぶつかり合い、もう一方は槍の構えもサマになっていない槍持ちが何度も突き損じたり転んだりしながら悪戦苦闘する。いずれも、斬られる心配のない剣豪が華麗な

    [続きを読む](2019.01.12)
  • ヴァンパイア映画史上最初の傑作は、著作権の禁を犯した天才監督の手によって生まれた。『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年)の原作は、ブラム・ストーカーのベストセラー小説『ドラキュラ』である。ドイツの監督フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウは、その映画権を得ようとして断られると、ドラキュラ伯爵をオルロック伯爵、タイトルを

    [続きを読む](2018.12.11)
  • 『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』(1970年)が製作されるきっかけとなったのは、山本迪夫監督がデビュー作『野獣の復活』の完成パーティーで口にした、「死ぬまでに一本だけ、人が悲鳴を上げるような映画を作りたい」という一言だったらしい。それを聞いた東宝のプロデューサー田中文雄はすぐにこの映画を企画した。田中はのちに作家としてホラー小説を書い

    [続きを読む](2018.12.03)
  • 『去年の夏 突然に』でリズの信頼を得たマンキーウィッツは、その数年後、製作の危機に直面していた超大作『クレオパトラ』の監督をルーベン・マムーリアンから引き継ぎ、自らの手で撮り直すことになる。同じ時代を扱った史劇を『ジュリアス・シーザー』(1953年)で撮っていたマンキーウィッツだが、今回はいかんせん規模が違う。

    [続きを読む](2018.11.03)
  • 『五本の指』(1952年)は第二次世界大戦を背景にしたスパイ映画。中立国トルコの英国大使館で有能な執事として働くディエロ(ジェームズ・メイスン)には裏の顔があった。連合国側の機密情報を高値でドイツ側に売るスパイである。ディエロは以前仕えていた伯爵の未亡人アンナ(ダニエル・ダリュー)の協力を得て、素性を隠し、

    [続きを読む](2018.11.02)