映画 MOVIE
  • 飛行クラブでトップクラスの腕前を持つパイロットのマヌー(アラン・ドロン)と、彼の親友で新型エンジンの開発に熱中しているエンジニアのローラン(リノ・ヴァンチュラ)。そして2人の前に現れた芸術家の卵、レティシア(ジョアンナ・シムカス)。それぞれ夢に破れ、失意を味わった3人は、コンゴの海底に眠っているという5億フランの財宝を探すべく、冒険の旅に出る。恋と友情と冒険...

    [続きを読む](2011.05.30)
  • ジャン・ルノワールほど善悪の基準というものを意に介さず人間という生き物を描き続けた監督はいない。人間は善悪で簡単に割り切れるものではない、と彼の作品は語っている。勧善懲悪もあり得ない。理屈よりも感情、道徳よりも官能、規律よりも解放、といった調子である。ルノワールの映画はとにかく画が美しい。高名な画家である父オーギュスト・ルノワールの影響もあるのだろう。自然な...

    [続きを読む](2011.05.25)
  • 1934年にジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『白き処女地』『地の果てを行く』で注目されてから、1976年に72歳で亡くなるまで、ジャン・ギャバンほどフランスで愛された俳優はいない。彼がカメラの前に立つと、それだけで周囲のキャストは霞んでしまう。例えば『地下室のメロディ』。あの大スター、アラン・ドロンでさえギャバンと並んで立っていると青二才

    [続きを読む](2011.05.20)
  • なめらかなカメラワークと洗練されたカットでヌーヴェルバーグの監督たちを魅了した才人、マックス・オフュルス。彼もまた先輩エルンスト・ルビッチと同じく、ナチス以前のモダンだった頃のドイツ映画界で修練を積んだ人である。その演出スタイルはルビッチに勝るとも劣らずエレガント。単にうまいだけでなく、鳥肌が立つほどうまい。彼はワンカットに己の美学を注ぎ込む。それでいて作為...

    [続きを読む](2011.05.15)
  • 「神は滅亡を願う時、まず人を狂人にする」(エウリピデス)精神病院で起こった殺人事件の犯人を探すべく、精神異常者になりすまして潜入捜査をはじめた新聞記者ジョニー・バレット。これがうまくいけばピュリッツアー賞も間違いないと名誉欲に燃える彼だったが、患者たちと生活を共にするうちに、徐々に精神の均衡を失い、狂気の道へと足を踏み入れてゆく……。ハリウッドの異端監督サミ...

    [続きを読む](2011.05.10)
  • 「フランス映画=アンハッピーエンド」のイメージが日本で定着したのは1930年代のことである。そのアンハッピーなフランス映画の代表的な監督として人気を博していたのがジュリアン・デュヴィヴィエだ。人生に疲れを感じた時、その作品は強いお酒のように胸にしみる。デュヴィヴィエはジャン・ギャバンを育てた人でもある。このコンビは、日本でいえば黒澤明と三船敏郎のようなもの。...

    [続きを読む](2011.05.05)

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