映画 MOVIE

監督神髄

名監督たちの肖像

映画史に名を残す100人の監督論。
今なおファンに愛されている代表作を観ながら
それぞれの作品の特色、映画術をつまびらかにしたい。

  • 1940年代にアルフレッド・ヒッチコックはイングリッド・バーグマンをヒロインに迎え、『白い恐怖』(1945年)、『汚名』(1946年)、『山羊座のもとに』(1949年)の3作を撮った。『白い恐怖』は縦縞模様に恐怖を抱く記憶喪失者と女性精神科医の関係、『汚名』はナチのスパイの娘とFBI捜査官の関係、『山羊座のもとに』は過去を持つ令嬢と馬丁の関係が一応の軸となっ...

    [続きを読む](2016.11.11)
  • 三隅研次は大映の社員監督として会社の命令に従いながらも、厳しい制約の中で我流の映像美を確立し、孤独な剣士の生きざまを描き続けた。その代表作の多くは、大スター市川雷蔵の代表作と重なる。つまり、その後のシリーズ化を決定づけた『眠狂四郎勝負』(1964年)も、「剣三部作」として知られる『斬る』(1962年)、『剣』(1964年)、『剣鬼』(1965年)も三隅監督作...

    [続きを読む](2016.08.28)
  • 女優の扱いは巧かったようで、フランソワーズ・ロゼーに始まり、ミシェル・モルガン、アナベラ、アルレッティ、マリー・デア、シュザンヌ・クルーティエ、シモーヌ・シニョレ、パスカル・プティ、アニー・ジラルドといった、そうそうたる名女優・人気女優の代表作がカルネによって撮られている。日本で言えば、女優を撮る達人だった吉村公三郎的なポジションに近いかもしれない。カルネ作...

    [続きを読む](2016.07.30)
  • 『危険な曲り角』(1958年)の中に、若者たちがシネマテークでルドルフ・ヴァレンティノの『血と砂』(1922年)を観に行くシーンがある。彼らはポスターを観て、「なぜこんな男がモテたのか」「まるでタンゴダンサーだ」「でもジェームズ・ディーンだって古くなるだろ」「そんなことはない」といった会話を交わし、ヴァレンティノのドラマティックなキスシーンを観て笑う。マルセ...

    [続きを読む](2016.07.28)
  • ルイス・ブニュエルは、破壊者ないし挑発者というイメージの枠内で論じられることが多い映像作家である。その映画はしばしば常識を吹き飛ばす危険物とみなされ、反権威主義的な立場から賞賛される。しかし、そうやって形成されるブニュエル像に、私は物足りなさを覚える。シュルレアリスムの方法を応用して論理的整合性を破壊したとか、

    [続きを読む](2016.02.17)