監督神髄
名監督たちの肖像映画史に名を残す100人の監督論。
今なおファンに愛されている代表作を観ながら
それぞれの作品の特色、映画術をつまびらかにしたい。
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世の中には、傍目には不利としか思えないような条件を逆手に取り、そのつど成功を収めてしまうツワモノがいる。オットー・プレミンジャーはまさにそんなタイプの筆頭に挙げるべき映画監督である。1950年代当時はまだタブー視する人が多かったセックス(『月蒼くして』)、黒人のヒロイン(『カルメン』)、麻薬中毒(『黄金の腕』)、レイプ(『或る殺人』)といった題材や設定を扱い...
[続きを読む](2011.02.24) -
ソフィスティケイテッド・コメディの達人、エルンスト・ルビッチはドイツで名声を確立した後、ハリウッドに招かれ、次々と洗練された恋愛映画を発表した。セックス描写が御法度だった時代に、脱げた靴を見せるだけで部屋で何が起こっているかを想像させる。また、一歩間違えばドロドロの愁嘆場になりかねないようなきわどいシーンにさしかかると、さっと場面を転換させる。さりげない視線...
[続きを読む](2011.02.11) -
集中して観ることができる大作映画というのは、なかなか無いものである。大抵の場合、中だるみして、終わった後に必ず欠伸をしながらこう思う、「これが120分以内にまとまっていたらなあ」。つまらない映画を延々と見せられるのは苦痛、はっきり言って拷問である。その苦しみを快楽に転換させることができるのは、出演者か監督の熱狂的なファンか、よほどのマゾである。上映時間が3時...
[続きを読む](2011.02.07)
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