映画 MOVIE

名画鑑賞サロン

忘れ得ぬ人と映画

“人と映画 ”についてのエッセイ。
忘れられない(忘れてほしくない)作品や
スクリーンで永遠の生命を獲得した男優、女優の魅力を
今昔問わず、国問わず、自由な形式で語る。

  • 濃厚な色気をたたえた美女である。セクシーな女優は銀幕の世界にごまんといるが、エレオノラ・ロッシ=ドラゴのセクシーさは群を抜いている。彼女の色気は、艶気と言い換えた方がいいかもしれない。それもあけっぴろげなものではなく、万人に恵まれる慈雨のようなものでもなく、もっと秘事的で、重みがあり、男を官能にのめり込ませる妖しい艶気である。また、上流階級の女性を演じていた...

    [続きを読む](2017.04.30)
  • シモーヌ・シニョレはフランス映画界の第一線で活躍した名女優である。演じた役柄には一定の傾向があり、若い頃は娼婦、情婦、不倫の人妻の役が多く、中年になってからは貫禄のあるおばさん役で存在感を発揮した。40歳を過ぎても顔の皺を隠すことなく変に若作りしなかったことや、政治に関する発言を積極的にしていたことから、同性のファンも多かったようである。

    [続きを読む](2017.02.04)
  • P.C.L.の看板スターといえば千葉早智子である。彼女は名家の出だが、ただのお嬢様ではない。宮城道雄に箏を教わり、師の代役として尺八の吉田晴風とアメリカ各地で演奏を行った経歴の持ち主である。おまけに美貌にも美声にも恵まれていたのだから、トーキーに移行した映画界から声がかかるのも時間の問題だった。銀幕にデビューしたのは1933年、22歳のとき。オペラ歌手の藤原...

    [続きを読む](2016.12.30)
  • 山村聰は俳優として多くの映画に出演しただけでなく、一時は監督としても注目を浴びていた。その点で、歳の近い佐分利信と比較されることもあったが、2人を並べて語るのは難しい。佐分利は戦前から硬派の大スターだった人であり、キャリアの面でも、持ち味の面でも、山村とは異なる。山村は東京帝国大学独文科を卒業後、大阪で演劇の道に進み、「二年足らずで、井上正夫先生の一座に加え...

    [続きを読む](2016.10.01)
  • アイダ・ルピノはハリウッドきっての才女で、演技の勘も表現力も抜群、映画監督としての腕前も確かだった。容姿でも演技でも歌でも演出でも人を惹きつけたその魅力と才能は、「ルピノ・ファミリー」として知られたイタリア系の宮廷芸人の血筋によるものかもしれない。イギリスでデビューしたのは13歳の頃。16歳でハリウッドへ進出し、『PETER IBBETSON』(1935年)...

    [続きを読む](2016.07.02)