映画 MOVIE

名画鑑賞サロン

忘れ得ぬ人と映画

“人と映画 ”についてのエッセイ。
忘れられない(忘れてほしくない)作品や
スクリーンで永遠の生命を獲得した男優、女優の魅力を
今昔問わず、国問わず、自由な形式で語る。

  • 『地上より永遠に』(1953年)に印象的な場面がある。ホノルルの兵営に配属されたプルーイット二等兵が、かつてボクシングで親友に大きな怪我を負わせたことをクラブのホステスに話すシーンだ。その語り方は、内に抱える苦しみをにじませていて、いわゆるお芝居らしいテンポがない。このように内向的で生々しい演技は当時のハリウッドではまだ珍しく、多くの名優が出演しているこの名...

    [続きを読む](2019.10.07)
  • 「ハイエナ」の異名を持つリチャード・ウィドマークは、悪役出身の大スターだ。冷酷非情な殺し屋役からスタートし、様々なタイプの悪党を生き生きと演じ、やがて屈折したヒーローを演じるようになり、しまいには大統領役を務めるまでになったそのキャリアは特筆に値する。魅力的な悪役は時に主役を食うものだが、ウィドマークはデビュー作『死の接吻』(1947年)のトミー役で、すでに...

    [続きを読む](2019.08.26)
  • 猫のような雰囲気を持つ女優というと、フランソワーズ・アルヌールやブリジット・バルドー、あるいはもっと後年のナスターシャ・キンスキーあたりが思い浮かぶ。彼女たちに共通しているのは、男を虜にする性的魅力の持ち主であることだろう。この系譜の元祖が誰になるのかは分からないが、1930年代に登場した一人の女優を避けてさかのぼることはできない。彼女の名前はシモーヌ・シモ...

    [続きを読む](2019.05.21)
  • 「決してひとりでは見ないでください」のキャッチコピーで知られる『サスペリア』(1977年)は、人工美に徹した映像作品であり、音楽が鳴りまくり、往年のハリウッド・スターが出演しているにもかかわらず、私にとって魅力的なホラーであり続けている。にもかかわらずと書いたのは、過剰な演出、にぎやかな音楽、そして

    [続きを読む](2019.04.27)
  • 子供の頃、テレビで時代劇を見ることが家族団欒だった私にとって、スガカンは最も懐かしい悪役俳優の一人だ。なので、当時の時代劇を見直している時に、その姿が画面に現れると、正義のヒーローそっちのけで、「待ってました」と叫びたくなる。かつてはこの人が登場するたびに、「とんでもない悪党だな」と憤っていたのに、変われば変わるものだ。

    [続きを読む](2019.02.14)