映画 MOVIE

名画鑑賞サロン

忘れ得ぬ人と映画

“人と映画 ”についてのエッセイ。
忘れられない(忘れてほしくない)作品や
スクリーンで永遠の生命を獲得した男優、女優の魅力を
今昔問わず、国問わず、自由な形式で語る。

  • 吉村公三郎監督によると、初めて品川駅で「美しい少女」を見かけた時、「あんな娘が女優だったらなあ」と仕事仲間と語り合っていたという。その後、彼女が松竹大船撮影所でダンスを教えている先生だと知ると、吉村監督とスタッフたちは稽古場に押しかけ、映画に出演するよう口説いた。とはいえ、相手は素人である。演技指導のやり方は、「少し上を向いて、目線は数センチ下にして」という...

    [続きを読む](2020.11.01)
  • ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(1982年)はリメイク映画である。原作は1938年に発表されたジョン・W・キャンベルJr.の短編小説「影が行く」で、1951年に初めて映画化された(製作はハワード・ホークス)。手短に言うと、原作は心理サスペンスとして怖く、ホークス製作版はおぞましい地球外生命体が出てくるモンスター映画として怖い。カーペンターは両...

    [続きを読む](2020.07.24)
  • 小津安二郎監督の『秋刀魚の味』(1962年)を観たのはだいぶ前のことだが、最初にこれを観た時から中村伸郎の存在が気になっていた。中村が演じているのは、笠智衆扮する主人公の旧友で、男だけの集まりで酒を飲みながら毒のある冗談を飛ばす中年男の役だ。皮肉っぽいがお人好し、身なりが良くてモダンで清潔感があり、話しぶりは軽妙、仲間にとっては

    [続きを読む](2020.03.04)
  • ロシアの人気女優というと、アナスタシア・ヴェルチンスカヤとリュドミラ・サヴェーリエワが思い浮かぶ。2人はほぼ同時期に第一線で活躍し、来日したこともあり、日本での人気も高かった。どちらも清純派のイメージだが、ヴェルチンスカヤの方が意志の強さを感じさせる顔立ちをしている。ヴェルチンスカヤの出演作の中で最も知られているのは、グリゴーリ・コージンツェフ監督の『ハムレ...

    [続きを読む](2019.12.13)
  • 『刑事コロンボ』の初期のエピソード「ホリスター将軍のコレクション」(1971年)に、スザンヌ・プレシェットが出演している。彼女が演じているのは、心理療法を受けている女性ヘレンの役だ。ヘレンは殺人事件を目撃していながら、犯人であるホリスター元将軍から「見間違いだ」と言われると、自分の目で見たことが事実なのかどうか自信がなくなり、さらに、彼に甘い言葉をかけられる...

    [続きを読む](2019.11.11)