映画 MOVIE

名画鑑賞サロン

忘れ得ぬ人と映画

“人と映画 ”についてのエッセイ。
忘れられない(忘れてほしくない)作品や
スクリーンで永遠の生命を獲得した男優、女優の魅力を
今昔問わず、国問わず、自由な形式で語る。

  • 1970年代の出演作を観ると不倫の役が目立つ。『イメージズ』の主人公も、愛人との情事にふけっていた。ロジャー・ムーア主演作『ゴールド』(1974年)では、甘い恋愛を堪能しているが、不倫である。エリオット・グールド主演作『サイレント・パートナー』(1978年)で演じた役も、上司と不倫している女だ。そしてジョージ・C・スコットと共演した『ジェーン・エア』(197...

    [続きを読む](2017.08.12)
  • トニー・リチャードソン監督の『トム・ジョーンズの華麗な冒険』(1963年)でヒロインのソフィが、大好きなトムではなく、全く相手にしていないブリフィルとの結婚をすすめられる場面がある。当然、ソフィは嫌悪感を示すのだが、その時の表情が本当に豊かで、可愛らしい顔を思いきり崩し、眉間に皺を寄せ、大きな目と口を忙しく動かして、絶対的な拒絶を表現する。彼女はトム一人しか...

    [続きを読む](2017.08.10)
  • 濃厚な色気をたたえた美女である。セクシーな女優は銀幕の世界にごまんといるが、エレオノラ・ロッシ=ドラゴのセクシーさは群を抜いている。彼女の色気は、艶気と言い換えた方がいいかもしれない。それもあけっぴろげなものではなく、万人に恵まれる慈雨のようなものでもなく、もっと秘事的で、重みがあり、男を官能にのめり込ませる妖しい艶気である。また、上流階級の女性を演じていた...

    [続きを読む](2017.04.30)
  • シモーヌ・シニョレはフランス映画界の第一線で活躍した名女優である。演じた役柄には一定の傾向があり、若い頃は娼婦、情婦、不倫の人妻の役が多く、中年になってからは貫禄のあるおばさん役で存在感を発揮した。40歳を過ぎても顔の皺を隠すことなく変に若作りしなかったことや、政治に関する発言を積極的にしていたことから、同性のファンも多かったようである。

    [続きを読む](2017.02.04)
  • P.C.L.の看板スターといえば千葉早智子である。彼女は名家の出だが、ただのお嬢様ではない。宮城道雄に箏を教わり、師の代役として尺八の吉田晴風とアメリカ各地で演奏を行った経歴の持ち主である。おまけに美貌にも美声にも恵まれていたのだから、トーキーに移行した映画界から声がかかるのも時間の問題だった。銀幕にデビューしたのは1933年、22歳のとき。オペラ歌手の藤原...

    [続きを読む](2016.12.30)