映画 MOVIE

名画鑑賞サロン

忘れ得ぬ人と映画

“人と映画 ”についてのエッセイ。
忘れられない(忘れてほしくない)作品や
スクリーンで永遠の生命を獲得した男優、女優の魅力を
今昔問わず、国問わず、自由な形式で語る。

  • 今や絶滅した和風美人の代表、新珠三千代。「たおやか」とはこの人のためにある言葉ではないかと思わせるほど、そのたたずまいは楚々としていて、優美で、女らしい。体の線がしなやかで、着物姿のときなど、首がとても色っぽくみえる。一方で洋服もよく似合い、新進デザイナーだった頃の森英恵による衣装を着こなすそのセンスとスタイルの良さは、1950年代の日本女性にはあまり見られ...

    [続きを読む](2011.02.27)
  • 映画史上、星の数ほどいる〈薄幸の美人〉の中でも、とびきりの美女であり、また数奇な運命をたどった女優、ジーン・ティアニー。彼女は1940年代のハリウッドを象徴する名花である。アメリカ人なのに、どことなくヨーロピアンな気品ただよう美貌と物腰に、当時はみんな夢中になった。その美しさは、いま観てもハッとするほどだ。もっとも、必ずしも役に恵まれていたとはいいがたい。テ...

    [続きを読む](2011.02.13)
  • 若尾文子は手の届かない「低嶺(ヒクネ)の花」である。親しみやすく、誰にでも手の届きそうな雰囲気があるのに、周囲を見回しても、彼女のような女性を見つけることはまずできない。どこにでもいそうで、絶対にいない。それが、最初から縁がないと諦めることのできる「高嶺の花」に対するよりも、ある意味、烈しい渇望へとつながる。こんな恋人がほしい、

    [続きを読む](2011.02.10)