「アルフレッド・ヒッチコック」と一致するもの
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代表作は『イヴの総て』 ファンを装って大女優に近付き、従順な付き人になるが、やがて本性を現し、周囲の恩人たちを踏みつけて成り上がる女。この女にはモラルのかけらもなく、良心もない。あるのは飽くなき野心と才能のみ。彼女の名前はイヴ・ハリントン。1951年の映画『イヴの総て』の登場人物である。 イヴ(アン・バクスター)はまず大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の友人...
[続きを読む](2022.09.14) -
幼い頃、田舎の実家に行き、薄暗い廊下から2階へと続く狭い階段を見上げたとき、何か不思議なものを見るような感覚に襲われた。それはコンクリートのマンションに住んでいた私にとって、日本家屋の2階というものを意識した初めての体験だった。私は何とも言いようのない違和感を抱き、階段から目を背けた。その違和感は8歳くらいから好奇心に変わったが、それまで2階というのはちょ...
[続きを読む](2021.01.27) -
昔のハリウッド映画のヒーローというと、逞しさと強引さが売りのタフガイを連想しがちだが、実際はスマートでソフトな優男も大勢いた。ジェームズ・スチュワートはそのうちの一人であり、代表的な存在である。彼の繊細そうな表情、穏やかで明るい雰囲気、健康的で愛すべき軽妙なキャラクターは、アメリカの老若男女の心を掴んだ。 主演作は1930年代から60年代まで沢山ある。傾向...
[続きを読む](2021.01.04) -
『刑事コロンボ』の初期のエピソード「ホリスター将軍のコレクション」(1971年)に、スザンヌ・プレシェットが出演している。彼女が演じているのは、心理療法を受けている女性ヘレンの役だ。ヘレンは殺人事件を目撃していながら、犯人であるホリスター元将軍から「見間違いだ」と言われると、自分の目で見たことが事実なのかどうか自信がなくなり、さらに、彼に甘い言葉をかけら...
[続きを読む](2019.11.11) -
『地上より永遠に』(1953年)に印象的な場面がある。ホノルルの兵営に配属されたプルーイット二等兵が、かつてボクシングで親友に大きな怪我を負わせたことをクラブのホステスに話すシーンだ。その語り方は、内に抱える苦しみをにじませていて、いわゆるお芝居らしいテンポがない。このように内向的で生々しい演技は当時のハリウッドではまだ珍しく、多くの名優が出演しているこの...
[続きを読む](2019.10.07) -
ただのオカルト・ホラーではない 例えば1960年が『サイコ』、『血を吸うカメラ』、『血ぬられた墓標』の公開年であったように、ホラー映画史には節目と言える年がある。1968年もまさにその節目にあたり、『ローズマリーの赤ちゃん』と『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が公開された。前者がオカルト映画ブーム、後者がゾンビ映画ブームの隆盛に一役も二役も買ったことは今さ...
[続きを読む](2018.10.04) -
「ジャッロ」の代表作 マリオ・バーヴァはイタリア・ホラー映画界の巨匠として絶大な影響力を誇った人である。ダリオ・アルジェント、ジョン・カーペンター、ティム・バートンといった人たちの作品も、バーヴァから受けた影響を抜きにして語ることはできない。フェデリコ・フェリーニですら怪奇映画を撮る際は、バーヴァの作品からアイディアを拝借していた。 バーヴァの名を世に知らし...
[続きを読む](2018.09.08) -
異常なものを異常なままに 原題は『PEEPING TOM』。覗き魔という意味である。マイケル・パウエルが監督したこの作品は、アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』と同じく1960年に公開された。どちらも残虐な異常犯罪を扱った内容だが、観客の反応は大きく異なり、『サイコ』は大ヒットし、『血を吸うカメラ』は酷評されてすぐに埋もれてしまった。正当に評価されたの...
[続きを読む](2018.08.29) -
新たな挑戦 おそらく映画史において、アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』ほど多くの人々によって論じられた作品はほとんど存在しないだろう。この映画は、箝口令が敷かれる中で撮られ、試写会もなく公開された。そして批評家たちの不興を買いつつも、徹底した秘密主義が奏功して大ヒットし、大衆に支持された。その大衆によって、批評家以上の熱量で語られ、分析されたのである...
[続きを読む](2018.04.02) -
恋愛心理を重んじたロマンティック・サスペンス 1940年代にアルフレッド・ヒッチコックはイングリッド・バーグマンをヒロインに迎え、『白い恐怖』(1945年)、『汚名』(1946年)、『山羊座のもとに』(1949年)の3作を撮った。『白い恐怖』は縦縞模様に恐怖を抱く記憶喪失者と女性精神科医の関係、『汚名』はナチのスパイの娘とFBI捜査官の関係、『山羊座のもとに...
[続きを読む](2016.11.11)