「ワーグナー」と一致するもの

  • 型にとらわれず、自由に ブラームスの交響曲第3番は1883年に作曲され、同年12月2日に初演された。作曲当時、ブラームスは50歳。5月頃からヴィースバーデンで本腰を入れて筆を進め、10月にほぼ完成させた。ブラームスにしては速筆である。ちょうど作曲期間中、若い歌手ヘルミーネ・シュピースに恋慕の情を抱いていたらしく、その気分が作品に反映されていると見る向きもある...

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  • 祈りの休符交響曲 ブルックナーの交響曲第2番は1871年10月から1872年9月にかけて作曲された。年齢でいうと47歳から48歳の間に書かれた作品である。初演は1873年10月26日、自らウィーン・フィルを指揮し、成功を収めた。 初演まですんなりと進んだわけではない。まず試演時にウィーン・フィルの団員が作品に対して否定的な態度をとり、次いで、友人である指揮者...

    [続きを読む](2023.12.08)
  • 啓示的に響くコラール  セザール・フランクの「前奏曲、コラールとフーガ」は1884年に作曲され、1885年1月24日もしくは25日にマリー・ポアトヴァンによって初演された。フランクは若い頃ピアニストとして才能を開花させ、ピアノ曲も書いていたが、25歳の時(1847年)にオルガニストに転向した。それからは他の楽器のために書いた作品をピアノ用に編曲することはあっ...

    [続きを読む](2022.12.04)
  • 「ワーグナー交響曲」から自分の交響曲に ブルックナーの交響曲第3番は1872年秋から1873年12月31日の間に作曲された。これが第1稿で、1874年には大幅に補筆され、さらに1876年秋から1877年10月12日にかけて改訂が行われた。この第2稿の初演は1877年12月16日、作曲者自身の指揮によって行われたが、大失敗に終わった。聴衆は演奏中に群れをなして...

    [続きを読む](2022.10.06)
  • 代表作は『イヴの総て』 ファンを装って大女優に近付き、従順な付き人になるが、やがて本性を現し、周囲の恩人たちを踏みつけて成り上がる女。この女にはモラルのかけらもなく、良心もない。あるのは飽くなき野心と才能のみ。彼女の名前はイヴ・ハリントン。1951年の映画『イヴの総て』の登場人物である。 イヴ(アン・バクスター)はまず大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の友人...

    [続きを読む](2022.09.14)
  • 美しいメロディーがより美しくなる おなじみの作品が新鮮な魅力を放ったり、なじみのない作品が親しげに響いたとき、決して誇張ではなく、芸術の深い部分と調和したような気持ちになる。ペーター・マークはそういう感動を与える指揮者である。新鮮な魅力を放つといっても、それが単に奇を衒ったものなら二度聴けば飽きる。マークの指揮はそうではなく、独特の表現が全て音楽的に響くのだ...

    [続きを読む](2022.06.04)
  • 才気煥発な音楽の化身 レナード・バーンスタインはアメリカが生んだ最初の世界的指揮者である。そのキャリアは華々しく、指揮者としてだけでなく、作曲家、ピアニスト、教育者としても大きな足跡を残した。派手な動きが多い指揮に関しては好き嫌いが分かれるが、そこから放たれる音楽の力は絶大なもので、多くの聴衆を魅了した。彼こそは才気煥発な音楽の化身、全身音楽家であった。 コ...

    [続きを読む](2022.01.04)
  •  エフゲニー・ムラヴィンスキーは1938年から1988年まで50年間、ソ連最高のオーケストラ、レニングラード・フィルの常任指揮者を務めていた。国を代表する一流のオーケストラに一人の指揮者がここまで長く君臨した例はまれである。 2003年に制作されたドキュメンタリーによると、楽団内には厳しい規律があり、団員が5分でも遅刻すると2週間の停職処分を受けたという。...

    [続きを読む](2019.11.01)
  •  自分の好きな作品を紹介し、おすすめの演奏を挙げる時、ルドルフ・ケンペの名前を出していることが少なくない。若い頃は極度の激しさ、奈落の底の暗さ、えぐるような鋭さを求めがちで、過剰な表現に走らないケンペに惹かれることは稀だったが、心身を満たす充実感を味わいたいという気持ちが強くなっている今、何度も聴きたくなる演奏となると、この人の録音に食指が動くのだ。 過剰で...

    [続きを読む](2019.07.04)
  • 自由に生き、自由に死ぬ ジョルジュ・ビゼーの歌劇『カルメン』は1873年から1874年にかけて作曲され、1875年3月3日、パリのオペラ・コミーク座で初演された。しかし、この初演は失敗に終わった。台本を手がけたリュドヴィック・アレヴィによると、好評だったのは第2幕の「闘牛士の歌」までで、そこからは冷めた雰囲気になっていったという。その後も上演は繰り返されたが...

    [続きを読む](2019.04.10)
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