「小林秀雄」と一致するもの
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近代批評を確立したといわれる小林秀雄は、1929年に「様々なる意匠」で「批評とは竟に己れの夢を懐疑的に語る事ではないのか!」と書いた。この言葉は今も深甚なる影響を私たちに及ぼしているといってよい。ただし、このような批評を意識的に実践したのは、小林が最初ではない。「様々なる意匠」よりも40年近く前に、北村透谷がかなり苛烈なやり方で行い、批評の可能性を押し広げ...
[続きを読む](2013.04.20) -
バロックの「疾走する悲しみ」 ストラヴィンスキーはヴィヴァルディのことを「同じ協奏曲を400曲も書いた」と評した。どれもこれも同じにしか聞こえないという皮肉である。たしかに、作品3『調和の霊感』、作品4『ラ・ストラヴァガンツァ』、『四季』を含む作品8『和声と創意への試み』、作品9『ラ・チェトラ』を目隠しで聴いて、どの曲がどの協奏曲集の何番目の作品の何楽章かい...
[続きを読む](2012.07.01) -
2012年5月22日、吉田秀和氏が急性心不全のため亡くなった。その5日後の日曜日、私は新しいパソコンを買うために行った家電屋で、このニュースを知った。ネットがちゃんとつながるかどうか店員さんに確認してもらっている時、アクセスした某ポータルサイトのトップページに載っていたのである。「音楽評論家の吉田秀和氏死去」 高校の図書室にあった吉田秀和全集を思い出す。 ...
[続きを読む](2012.06.02) -
モーツァルトの運命交響曲 交響曲第40番の第1楽章は、クラシック・ファンならずとも誰もが一度は耳にしたことがあるに違いない。あの哀愁漂う美しい主題は、モーツァルトの書いた数ある名旋律の中でも『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』と並んで最も知られているものであり、世界中の人から愛されている。この曲をテーマにした文章がこれまでにいったいどれだけ書かれたことだろう...
[続きを読む](2011.04.18)