「絵」と一致するもの

  • バウハウス『暗闇の天使』1980年作品 このジャケットを見て、あなたはどんな音を想像するだろうか。暗、深、毒、美、重、幻、尖、烈、夢......。実際に触れた彼らの音世界は、恐らくそのイメージのどれもを裏切らないと思う。ゴシック・ロック、いわゆる〈ゴス〉の創始者的なバンドとして、現在語られることの多いバウハウス。だが彼らがこの1stアルバム『暗闇の天使』をリ...

    [続きを読む](2011.11.15)
  • シャーリーン「愛はかげろうのように」(1982年/全米No.3、全英No.1) 〈一発屋〉を英語では〈One-hit wonder〉と表現する、ということを教えてくれたのは、米『ビルボード』誌のトップ40ヒットをデータ化した洋書だったと記憶している。日本語の〈一発屋〉にはどことなく嘲笑めいた響きを感じられるが、英語のそれは実に巧いことをいうものだ、と思った。...

    [続きを読む](2011.10.17)
  •  ジネット・ヌヴーのヴァイオリンは胸を突き刺すような鋭い音で聴く者をとらえて離さない。フレーズのどこを切っても鮮血が飛び散りそうなほど熱い情熱が脈打っている。ただし、エモーショナルで尖った音だけがヌヴーの個性というわけではない。彼女の演奏家としての特性はむしろ、火を噴くような荒々しいパトスの奔出、集中力に支えられた逞しい造型感、油絵のような色彩感が統合された...

    [続きを読む](2011.10.10)
  •  夏に会社を移ってから生活サイクルが変わった。始業時間がこれまでより2時間早くなり、家から会社の距離も遠くなったので、7時には起きなければならない。一般的には、7時なんて早いうちに入らないのだろうが、20年近く夜型生活を送ってきた身には馴染みのない時間帯である。それでも、今のところは緊張感のおかげで起きている。夜も遅いので、体力がもつかどうか不安だ。 ある日...

    [続きを読む](2011.10.08)
  •  一目見たら決して忘れられない俳優、それがリー・ヴァン・クリーフだ。僕が初めて彼の存在を知ったのは、小学生の頃にTVで観た『続・夕陽のガンマン』(1966年)だった。これはセルジオ・レオーネ監督とクリント・イーストウッドによるマカロニウエスタン3部作、通称「ドル三部作」の最後を飾った作品だ。リー・ヴァン・クリーフ演じる冷酷な殺し屋・エンジェルは、とにかく強烈...

    [続きを読む](2011.10.05)
  •  その女の子と出会ったのは、僕が5歳の時だった。面白い娘だとは思っていたが、さほど関心を持つことはなかった。しかし約30年ぶりに再会し、僕は激しく惹かれるようになったのだ。その娘の名前はアン・シャーリー。プリンス・エドワード島のグリーン・ゲイブルズで暮らす、赤い髪をした女の子だ。 『赤毛のアン』に初めて触れたのは、僕が子供の頃、日曜日の夜に放送され...

    [続きを読む](2011.09.17)
  •  鉄道マニアを「鉄っちゃん(もしくは鉄ちゃん)」と呼ぶそうな。筆者の旧知の編集者さん(女性)は切手蒐集家を「切っちゃん」と呼ぶ。これが世間一般で通用する呼称なのか否かは知らない。その編集者さんも切っちゃんのひとりではあるのだが。 小〜中学校時代、同級生(主に男子)に切手蒐集家が数名いたと記憶している。記念切手発売日ともなると、遅刻するのもお構いナシに郵便局が...

    [続きを読む](2011.09.03)
  • ジャニス・ジョプリン『パール』1971年発表 〈『パール』はジャニス・ジョプリンの遺作/ジャニスは1970年10月4日、LAのホテルで急死。『パール』のレコーディング中のことであった/死因はドラッグの過剰摂取/『パール』は翌年にリリースされ、全米アルバム・チャート9週連続1位を獲得/タイトルの『パール』とはジャニスの愛称であり、本人もお気に入りだったらしい〉...

    [続きを読む](2011.09.01)
  •  決して不機嫌なのではない。そうかと言って、アンニュイな雰囲気とも微妙に違う何かがそこには......。鑑賞者の視線と交わることのない、うっすらと愁いを帯びたその瞳は、どこか遠くーーいにしえの日々かーーを見つめているようでいて、その実、空(くう)を彷徨っているかのようにも見えてくる。どの絵師の美人画とも質を異にする、独特の雰囲気と存在感。そして孤独感。 橋口...

    [続きを読む](2011.08.20)
  •  モーニング娘。の魅力とは何か。答えは様々あると思う。その中で大きな割合を占めそうなのは、メンバーの豊かな個性と未知数の才能、パフォーマンスに対する向上心、コンサートの楽しさ、メンバーの変動から生まれるドラマ、といったところだろうか。私はモーニング娘。のことをかなり後追いでチェックしてきたが、「もうこの辺でいいかな」という感情は一向に湧いてこない。それどころ...

    [続きを読む](2011.08.13)
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