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  • 美しい調和の音楽 モーツァルトのピアノ協奏曲第23番は美しい調和の音楽である。耳を傾けていると、世界の調和、感情の調和のなかにいるような心地を覚える。アンドレ・ジイドが日記に書いた「モーツァルトのよろこびは清らかに澄み渡っている。音楽のフレーズは、物静かな想いのようだ。その単純さは純粋さにほかならない」という言葉がそのまま当てはまる作品だ。明るいけど陽気すぎ...

    [続きを読む](2021.05.01)
  •  ジャン・ドラノワは「トリスタンとイゾルデ」の伝説を現代によみがえらせた『悲恋』(1943年)の監督である。この映画は大ヒットし、脚本を手がけたジャン・コクトーは、「ドラノワがいなければ私はどうなっていたことか...」と書いて当時35歳の若き才能を称えた。これにより一流監督の仲間入りを果たしたドラノワは、『しのび泣き』(1945年)、『田園交響楽』(194...

    [続きを読む](2020.04.16)
  • 青春が輝きだすその一瞬 『ラ・ボエーム』ほど「甘く切ない」という表現がぴったりくる青春オペラはほかにない。貧しさの中無茶をしたり、たわいもないことで大騒ぎしたり、一瞬で異性に心奪われたり、といった若者たちのエピソードは、きっと私たちの青春の記憶を刺激し、胸を締めつけることだろう。今青春真っ盛りの人が聴けば、おそらく自分の分身をこの作品の中に見出すのではないか...

    [続きを読む](2011.03.22)
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