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  • 1940年代のフィルム・ノワール ロバート・シオドマクは1940年代のハリウッドでフィルム・ノワールを多く手がけた監督である。夜の場面を撮るのが上手く、光と闇のコントラストを自在に駆使し、無駄のない洗練された演出で娯楽性の高いサスペンスを撮り続けた。代表作を5本挙げるとしたら、『幻の女』(1944年)、『らせん階段』(1945年)、『暗い鏡』(1946年)、...

    [続きを読む](2024.05.05)
  • 最も多才な映画監督 ハワード・ホークスはハリウッドが生んだ最も多才な映画監督である。代表作と呼ぶべき作品は十指に余るほどある。いわゆる才人監督が手を染めがちなアート志向の実験作を作ることはなく、テーマは明確、ストーリーテリングも明晰、シャープで力強く、思わせぶりなところがない。テンポも抜群に良く、編集に澱みがない。ユーモアを欠かさずリラックスして軽々と撮って...

    [続きを読む](2013.12.06)
  • サイレント時代の傑作『第七天国』 フランク・ボーゼイジは役者として成功した後、監督になり、『第七天国』でその実力を世に知らしめた。これで第1回アカデミー監督賞を受賞したボーゼイジは監督としての地位を確立、1930年代の後半までコンスタントにヒット作を発表、映画史に名を残した。洗練された演出スタイルではなく、変化球を駆使するタイプでもない。ボーゼイジは真っ正面...

    [続きを読む](2012.03.29)
  •  その日、財布はいつになく膨れていた。ターゲットはモンブランの限定万年筆「ヘミングウェイ・モデル」。武者震いしつつ、いざ鎌倉! のはずだったのだが......。 あれは7月の暑い日だったと記憶している。あの日あの時の、自分の行動の由って来るところを、今以て説明できない。というのも、行きつけの文房具屋(Y堂本店)がかつて万年筆売場を設けていた馬車道のビルを目指...

    [続きを読む](2011.07.30)
  •  万年筆。何と魅惑的な響きだろうか。どうせなら旧字体の萬年筆と表記したいところだ。それほど、この筆記具には崇高な佇まいを感じる。英語でいうなら〈fountain pen〉。〈fountain〉はご存知のように「噴水、泉、原水」という意味。万年筆には「長く(=万年)使っても使いべりがしない」という意味が込められているだろうし、〈fountain pen〉には「...

    [続きを読む](2011.07.23)
  •  マーク・トウェイン作『ハックルベリー・フィンの冒険』という小説の存在は、おそらく大半の人がご存知だと思う。『トム・ソーヤーの冒険』の続篇として執筆されたこの作品が、本国のアメリカで出版されたのは1885年(イギリス版は1884年)であり、今や世界中の言語で翻訳されている。しかし、この小説を読んだことがあるという人は、意外なほど少ないのかもしれない。特に我々...

    [続きを読む](2011.02.14)
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