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禁を犯して生まれた傑作 ヴァンパイア映画史上最初の傑作は、著作権の禁を犯した天才監督の手によって生まれた。 『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年)の原作は、ブラム・ストーカーのベストセラー小説『ドラキュラ』である。ドイツの監督フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウは、その映画権を得ようとして断られると、ドラキュラ伯爵をオルロック伯爵、タイトルを「ノスフェラトゥ...
[続きを読む](2018.12.11) -
はじめに トニー・リチャードソン監督の『トム・ジョーンズの華麗な冒険』(1963年)でヒロインのソフィが、大好きなトムではなく、全く相手にしていないブリフィルとの結婚をすすめられる場面がある。当然、ソフィは嫌悪感を示すのだが、その時の表情が本当に豊かで、可愛らしい顔を思いきり崩し、眉間に皺を寄せ、大きな目と口を忙しく動かして、絶対的な拒絶を表現する。彼女はト...
[続きを読む](2017.08.10) -
1962年に『シンデレラの罠』を発表し、推理小説界の寵児となったセバスチアン・ジャプリゾの人気は今なお衰えることを知らない。2003年に亡くなった後も、その作品は読まれ続け、映画化され続け、ミステリ史の総合ランキングの常連であり続けている。 ミステリ・ファンにはよく知られているように、『シンデレラの罠』が出版された当時、その宣伝文は次のようなものだった。私...
[続きを読む](2015.10.10) -
窓からベルリンの壁が見える。 閑静ながら、どこか不穏な空気を秘めた西ベルリンの住宅地。単身赴任先からこの街に帰ってきたマルクは、妻アンナのよそよそしい態度に不信感を抱く。そしてアンナが自分の留守中に不倫していたことを知る。相手はハインリッヒという男。アンナはマルクを拒絶し、ハインリッヒと逢瀬を重ねる。そのくせ、度々マルクのもとへ戻ってくる。戻ってくる度に、...
[続きを読む](2012.03.01)