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天才の自信と閃き ロベルト・シューマンのピアノ協奏曲は、1841年に書かれた「ピアノと管弦楽のための幻想曲」に手を加え、2つの楽章を追加したものである。完成したのは1845年のこと。初演日は1846年1月1日、独奏は妻のクララ・シューマンが務めた。 管弦楽の扱いに関しては、ピアノ曲や歌曲にみられる精度が足りないと言われることが多いシューマンだが、すでに交響曲...
[続きを読む](2015.05.02) -
絵画的描写ではなく感情の表出 ベートーヴェンの交響曲の中で最も有名な作品のひとつである第6番は、1808年に書き上げられた。作曲時期は第5番とほぼ同じだが、第5番の大部分の作曲は1807年に行われ、第6番の方は1808年の初春〜夏にかけて集中的に書かれたとみられている。 構想自体はそれ以前から抱いていたようで、1803年から1804年にかけて使用していた「ラ...
[続きを読む](2014.03.28) -
1830年に生まれた革命的交響曲 幻想交響曲が完成したのは1830年のことである。ベートーヴェンが世を去ってから3年しか経っていないのに、ここまで奇想天外な交響曲がフランスから生まれたという事実には驚嘆するほかない。しかも作曲当時、エクトル・ベルリオーズは26歳だったのである。 作曲の原動力になったのは恋である。若手の登竜門とされるローマ賞に挑戦して落選した...
[続きを読む](2013.11.26) -
オッテルローが遺した録音で最も有名なのは、ベルリオーズの「幻想交響曲」だろう。名盤といわれるレコードやCDがたくさんある作品だが、その中にあって1951年6月に録音されたオッテルロー盤は、ほかの指揮者と比べて遜色ないどころか、もう60年以上、ひときわ眩しく光っている。「幻想」を聴き込んでいる人ほど、オッテルローの聴かせ方のうまさに唸らされているようである。...
[続きを読む](2013.01.17)