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視点の正確さ 新しい一つの人生、すなわち、結婚後の生活を描く小津監督の視点は、正確さを志向している。そこには結婚や家族を美化する描写はない。むしろ、分かり合えない者たちが同居している雰囲気すら漂っている。それがいろいろなことを経て、時間をかけながら、「本当の夫婦」ないし「本当の家族」になっていく。『お茶漬の味』(1952年)や『早春』などは、そのプロセスを強...
[続きを読む](2015.01.25) -
なめらかなカメラワークと洗練されたカットでヌーヴェルヴァーグの監督たちを魅了した才人、マックス・オフュルス。彼もまた先輩エルンスト・ルビッチと同じく、ナチス以前のモダンだった頃のドイツ映画界で修練を積んだ人である。その演出スタイルはルビッチに勝るとも劣らずエレガント。単にうまいだけでなく、鳥肌が立つほどうまい。 彼はワンカットに己の美学を注ぎ込む。それでい...
[続きを読む](2011.05.15) -
ソフィスティケイテッド・コメディの達人、エルンスト・ルビッチはドイツで名声を確立した後、ハリウッドに招かれ、次々と洗練された恋愛映画を発表した。 セックス描写が御法度だった時代に、脱げた靴を見せるだけで部屋で何が起こっているかを想像させる。また、一歩間違えば愁嘆場になりかねないようなきわどいシーンにさしかかると、さっと場面を転換させる。さりげない視線の動き...
[続きを読む](2011.02.11)
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