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一つのオーケストラの真価を知らしめるには一人の名指揮者の存在が不可欠である。すぐれた指揮者がいて、素晴らしい公演が実現してこそ、その評価は高まり、名実共に一流オーケストラとなるのだ。レコードだけでは「録音技術の魔術でうまく聞こえるのだろう」などと言われかねない。 では、いわゆる世界三大オーケストラはどうだったのか。むろん彼らにも、来日して圧倒的な演奏を披...
[続きを読む](2020.09.03) -
誰にも書けない音楽 イーゴリ・ストラヴィンスキーの『結婚』は、1914年に着手され、幾度かの中断を経て、1923年4月6日に書き上げられた。自伝によると、当時ストラヴィンスキーは楽器編成の問題で悩み、結論を出すのを後回しにしていたらしい。そして、「初演の日が最終的に決められて切迫した状態になれば何か解決法を思いつくだろうと当てにしていた」。その後、セルゲイ・...
[続きを読む](2017.08.02) -
魅力的なライヴ音源 1975年に椎間板の大手術を受け、1978年に指揮台から落ちて脳卒中に見舞われた後は、健康状態の悪化やベルリン・フィルとの関係悪化(1981年に勃発した「ザビーネ・マイヤー事件」をきっかけに、カラヤンとオーケストラの間には大きな溝が生じた)に悩まされ、それを反映するかのように、統率力が以前よりも緩み、オーケストラの自発性を重んじる傾向が強...
[続きを読む](2014.10.04) -
頭上を舞う、16羽の白鳥 1914年5月から6月にかけて、シベリウスはアメリカを訪問し、大歓迎を受けた。これに気を良くした彼は再度訪米することを考えたが、同年夏、第一次世界大戦が勃発したため断念せざるを得なくなる。おまけに自分の作品を扱っているドイツの出版社から収入が入ってこなくなり、不如意な生活を強いられるようになる。しかし、当時のシベリウスの日記を見てみ...
[続きを読む](2012.05.09) -
おお、運命の女神よ 生命の息吹あふれる春に、カール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』ほどぴったりくる作品はない。この音楽に耳を傾けていると、肉体が開放され、奮い立ち、人生のさまざまな揉めごとや災いの山に向かって猛然と突き進んでいこう、という雄々しい気持ちになってくる。効果的に繰り返される劇的なメロディーや千変万化するリズム、声を限りに歌われる力強い合唱が、私た...
[続きを読む](2011.04.10)