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クリス・クリストファーソン『クリストファーソン』1970年作品 2023年7月に亡くなったシネイド・オコナーの数ある追悼記事において、必ず大きなスペースを割いて語られていたのが、1992年10月に起きたあの事件のことだ。場所は、ボブ・ディランのデビュー30周年コンサートが盛大に開催されていた、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン。シネイドもボブに敬意...
[続きを読む](2023.09.23) -
ナンシー・シナトラ&リー・ヘイズルウッド『Nancy & Lee』1968年作品(邦題:ナンシーとリー『二人の青い鳥』) 昭和歌謡の湿り気がつきまとうせいか、若い頃は、男女デュエットにはどうも馴染めなかった。洋楽の世界でも筆者が育った1980年代の男女デュエットと言えば、ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーの「エンドレス・ラヴ」とかジョー・コッカーと...
[続きを読む](2021.06.22) -
ジ・アンダートーンズ『ジ・アンダートーンズ』1979年作品 アイルランド共和国と英国の間で和平条約が結ばれて、北アイルランド紛争に終止符が打たれたベルファスト合意から、2018年でちょうど20年。にもかかわらず、つい7月半ばに、シン・フェイン党の元党首ジェリー・アダムスの自宅に爆破物に投げ込まれる事件が起きたり、英国のEU離脱に際して北アイルランドとアイル...
[続きを読む](2018.07.20) -
U2『ヨシュア・トゥリー』1987年作品 ヨーロッパのミュージシャンにとってアメリカはひとつの理想であり、ゴールであり、時にして憂慮というか疎ましさというか、反感の対象にもなり得る。U2はまさに、そういうアメリカとの複雑な関係性を体現するバンドだ。中でも5作目『ヨシュア・トゥリー』(1987年/全米・全英最高1位)には相反するアメリカ観が完璧なバランスで混在...
[続きを読む](2017.02.19) -
マリー・ラフォレ「マンチェスターとリヴァプール」(1966年) マリー・ラフォレは『太陽がいっぱい』(1960年)のヒロインとして有名だが、歌手としての評価も非常に高く、10枚以上のスタジオ・アルバムを発表している。「マンチェスターとリヴァプール」は初期の代表曲で、作詞はエディ・マルネイ、作曲はアンドレ・ポップが担当、1966年に発売されてヒットした。今日で...
[続きを読む](2015.03.03) -
マリアンヌ・フェイスフル『ブロークン・イングリッシュ』1979年作品 ザ・ローリング・ストーンズとの交わりの中でアイドルから堕ちてゆき波乱万丈の流転の人生を歩んだ女性アーティストが再生の狼煙を上げた1979年の代表作である。 マリアンヌ・フェイスフルは1946年12月29日ロンドン生まれ。17歳でレコード・デビューするや否やフォーク/ポップスのシンガーとして...
[続きを読む](2012.11.01) -
『太陽を盗んだ男』(1979年)は中学の理科教師が自宅アパートで原子爆弾を製造し、日本政府を脅迫する物語。つまり、テロリストを描いた映画だ。とはいえ、主人公・城戸誠(沢田研二)の要求には、政治的な色合いは一切ない。彼が突きつけるのは、「ナイター中継を最後まで放送しろ!」「ローリング・ストーンズの来日公演を実現しろ!」など......国家を揺るがし得る兵器を...
[続きを読む](2011.07.08)