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  • 代表作は『イヴの総て』 ファンを装って大女優に近付き、従順な付き人になるが、やがて本性を現し、周囲の恩人たちを踏みつけて成り上がる女。この女にはモラルのかけらもなく、良心もない。あるのは飽くなき野心と才能のみ。彼女の名前はイヴ・ハリントン。1951年の映画『イヴの総て』の登場人物である。 イヴ(アン・バクスター)はまず大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の友人...

    [続きを読む](2022.09.14)
  • 『クレオパトラ』 『去年の夏 突然に』でリズの信頼を得たマンキーウィッツは、その数年後、製作の危機に直面していた超大作『クレオパトラ』の監督をルーベン・マムーリアンから引き継ぎ、自らの手で撮り直すことになる。同じ時代を扱った史劇を『ジュリアス・シーザー』(1953年)で撮っていたマンキーウィッツだが、今回はいかんせん規模が違う。しかもリズの大病や監督の変更な...

    [続きを読む](2018.11.03)
  • 『五本の指』 『五本の指』(1952年)は第二次世界大戦を背景にしたスパイ映画。中立国トルコの英国大使館で有能な執事として働くディエロ(ジェームズ・メイスン)には裏の顔があった。連合国側の機密情報を高値でドイツ側に売るスパイである。ディエロは以前仕えていた伯爵の未亡人アンナ(ダニエル・ダリュー)の協力を得て、素性を隠し、巧みにナチスと交渉するのだが........

    [続きを読む](2018.11.02)
  • 映画に精通した人 ジョセフ・L・マンキーウィッツは戦後のハリウッドで最も信頼の置けるヒットメーカーの一人だった。知性とユーモアに溢れた才人で、サスペンス、ミュージカル、文芸劇、心理劇、史劇、西部劇と何でも撮り、それらの大半で自ら脚本も手がけた。巨額の製作費を投じた『クレオパトラ』(1963年)が失敗作とみなされてからは評価を落としたが、これも昨今では当時のゴ...

    [続きを読む](2018.11.01)
  •  1940年代のイギリス映画界で、ジェームズ・メイスンは絶対的なカリスマであった。屈折した性格の役が似合い、陰のある悪役を演じても、エキセントリックな変質者を演じても、正義の看板を背負った登場人物たちより魅力を発散して、観る者に肩入れさせる。なめらかで艶のある声、ニヒルな笑み、ノーブルな物腰を武器に、主導権をとってしまうのだ。危険と言えば危険な魅力である。 ...

    [続きを読む](2015.05.09)
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