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『地上より永遠に』(1953年)に印象的な場面がある。ホノルルの兵営に配属されたプルーイット二等兵が、かつてボクシングで親友に大きな怪我を負わせたことをクラブのホステスに話すシーンだ。その語り方は、内に抱える苦しみをにじませていて、いわゆるお芝居らしいテンポがない。このように内向的で生々しい演技は当時のハリウッドではまだ珍しく、多くの名優が出演しているこの...
[続きを読む](2019.10.07) -
最も多才な映画監督 ハワード・ホークスはハリウッドが生んだ最も多才な映画監督である。代表作と呼ぶべき作品は十指に余るほどある。いわゆる才人監督が手を染めがちなアート志向の実験作を作ることはなく、テーマは明確、ストーリーテリングも明晰、シャープで力強く、思わせぶりなところがない。テンポも抜群に良く、編集に澱みがない。ユーモアを欠かさずリラックスして軽々と撮って...
[続きを読む](2013.12.06) -
ドン・シーゲルはもったいぶらない人である。いきなり冒頭から緊張感がはりつめ、事件が起こる。ゆっくり、徐々に盛り上げて、などと回りくどいことはしない。このスタイルは初期の『仮面の報酬』から、出世作『殺人者たち』、代表作『ダーティハリー』、『突破口!』、『テレフォン』に至るまで変わらない。アクションの描写も、昔の映画とは思えないほど切れ味が凄い。さすがサム・ペ...
[続きを読む](2011.03.06)
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