タグ「ジョン・ギールグッド」が付けられているもの

  •  アレック・ギネスは扮装の達人として知られた名優である。ジョン・ギールグッドに認められ、舞台で活躍し始めたのは22歳の頃。本格的に映画界に進出したのは30歳を過ぎてからのことで、デヴィッド・リーン監督の『大いなる遺産』(1946年)がデビュー作にあたる。その後、同監督の『オリヴァ・ツイスト』(1948年)のフェイギン役で巧みな扮装をみせ、注目を集めた。 扮装...

    [続きを読む](2016.01.27)
  •  イギリス演劇史に名を残す名優、ジョン・ギールグッドが録音した『ハムレット』のレコードがある。何種類かあるようだが、私が持っているのは1957年に吹き込まれたもの。当時、ギールグッドは53歳。さすがに若々しさはないが、その音楽的な声(「絹にくるまれた銀のトランペット」と称えられた)を聞いていると、自然と『ハムレット』の世界に誘われる。ほかの俳優には模倣できな...

    [続きを読む](2013.02.02)
  •  美貌と演技力に恵まれた女優は珍しくないが、ヴィヴィアン・リーほどその両方を驚くほど高い水準で備えていた女優は、古今東西見渡してもそうそういない。 ローレンス・オリヴィエは、1935年にヴィヴィアン・リーが出演した舞台『美徳の仮面』を観た時、その「魔法のような容貌」に魅せられつつ、「素晴らしい技巧をほとんど偶然のように見せかけることの出来る天才手品師の誇り」...

    [続きを読む](2013.01.09)
  •  英国演劇界の花形的存在だったラリーが最も意識していた役者は誰か。おそらくそれはジョン・ギールグッドだろう。ギールグッドがラリーのことをどの程度ライバル視していたかは分からないが、少なくともラリーの方には、相手の影響力を敬遠しつつ自身の演技術を追求していた節がある。自伝などを読んでもギールグッドについて書く時の調子には拭いようのないライバル意識が感じられる。...

    [続きを読む](2012.09.12)
  •  フランコ・ゼフィレッリ版は、周知の通り大ヒットした人気作である。ロミオ役はレナード・ホワイティング、ジュリエット役はオリヴィア・ハッセー。カステラーニ版に心酔していた私は、黒髪のジュリエットには馴染めないと思い込んでいたが、あのニーノ・ロータの有名なメロディーが流れ始める頃には、無抵抗になり、オリヴィア・ハッセーのジュリエットを受け入れていた。シェントール...

    [続きを読む](2012.05.18)
  •  シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』はこれまでに何度も映画化されているが、その中で特に有名なのは、1936年のジョージ・キューカー監督作、1954年のレナート・カステラーニ監督作、1968年のフランコ・ゼフィレッリ監督作、1996年のバズ・ラーマン監督作の4本である。私はレナート・カステラーニ版で初めて『ロミオとジュリエット』を観た口なので、これには愛...

    [続きを読む](2012.05.17)
  •  マデリーン・キャロルは戦前のイギリスを代表する美人女優である。知的な美貌と確かな演技力を備え、声も美しく、英語の発音も綺麗だった。アルフレッド・ヒッチコック監督は彼女のことを気に入り、英国時代に撮った『三十九夜』『間諜最後の日』ではヒロイン役に起用している。ヒッチコックがブロンド・ビューティー(ジョーン・フォンテーン、グレース・ケリー、ティッピ・ヘドレンな...

    [続きを読む](2011.08.10)
1