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ハリウッドの戦争映画ではドイツ軍が悪者になることが多い。敵国だったので当然と言えば当然なのだが、ドイツ軍が主役で、ドイツ側の視点で撮られた作品は、割合で見るとかなり少ない。有名な『橋』(1959年)も『U・ボート』(1981年)も、ハリウッドではなくドイツ映画である。 ただ、例外もある。まずはヘンリー・ハサウェイ監督の『砂漠の鬼将軍』(1951年)。「砂漠...
[続きを読む](2022.01.15) -
「ハイエナ」の異名を持つリチャード・ウィドマークは、悪役出身の大スターだ。冷酷非情な殺し屋役からスタートし、様々なタイプの悪党を生き生きと演じ、やがて屈折したヒーローを演じるようになり、しまいには大統領役を務めるまでになったそのキャリアは特筆に値する。 魅力的な悪役は時に主役を食うものだが、ウィドマークはデビュー作『死の接吻』(1947年)のトミー役で、す...
[続きを読む](2019.08.26) -
エレノア・パーカー主演の『女囚の掟』(1950年)の原題は『Caged』。日本では未公開だったが、現在はDVD化されている。タイトル通り、檻の中の話だ。強盗の共犯で刑に服したマリー(エレノア・パーカー)は、刑務所内の慣習や上下関係の洗礼を受けるが、その過程で、看守ハーパー(ホープ・エマーソン)の暴虐ぶり、囚人間の覇権争い、自殺や殺人などが描かれる。やがて精...
[続きを読む](2017.11.27) -
女性像のパターン ジョン・スタージェスは男性を描くのがうまい。この点に異論を挟む人はいないはずだ。『大脱走』など、タイプの異なる男性像がそれぞれ細かく造型されていて、男性群像劇の最高傑作と呼びたいくらいである。モテモテのヤンキーというイメージがつきまとうウィリアム・ホールデンが、『ブラボー砦の脱出』で険のある堅物を好演しているのも、スタージェスが彼からベスト...
[続きを読む](2017.06.25) -
はじめに ジョン・スタージェスは西部劇や戦争映画で名を馳せた娯楽映画の巨匠で、不屈の男たちを描いた作品で高い評価を得ていた。代表作は『荒野の七人』(1960年)と『大脱走』(1963年)。この2作だけでも、強い個性を持つ役者が大勢顔を揃えている。スティーヴ・マックイーンは言うまでもなく、ジェームズ・コバーンやチャールズ・ブロンソンのように後年大スターになった...
[続きを読む](2017.06.23)