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  • バレエ音楽の神様 エルネスト・アンセルメはスイス出身の名指揮者で、ストラヴィンスキーの『兵士の物語』、『結婚』、『プルチネルラ』、『狐』、ファリャの『三角帽子』(舞台版)、サティの『パラード』などの世界初演を務めたことで知られる。『春の祭典』の再演を大成功へと導いた立役者の一人でもある。広範なレパートリーの中では、特にバレエ音楽の指揮に定評があり、「バレエ音...

    [続きを読む](2023.04.05)
  •  サー・エイドリアン・ボールトはイギリスが生んだ大指揮者で、ホルストの『惑星』の非公式初演、ヴォーン・ウィリアムズの田園交響曲や交響曲第4番の初演を任された人物として知られている。世界最長の交響曲と言われるハヴァーガル・ブライアンの交響曲第1番「ゴシック」のプロ演奏家による正式初演で指揮を務め、成功に導いたのもボールトである。同時代のイギリス音楽を世に紹介し...

    [続きを読む](2018.08.15)
  • 誰にも書けない音楽 イーゴリ・ストラヴィンスキーの『結婚』は、1914年に着手され、幾度かの中断を経て、1923年4月6日に書き上げられた。自伝によると、当時ストラヴィンスキーは楽器編成の問題で悩み、結論を出すのを後回しにしていたらしい。そして、「初演の日が最終的に決められて切迫した状態になれば何か解決法を思いつくだろうと当てにしていた」。その後、セルゲイ・...

    [続きを読む](2017.08.02)
  • 狂乱のアルペッジョ 心休まることのない音楽である。20歳を超えて間もない音楽院生セルゲイ・プロコフィエフの恐るべき才気が灰も残さないような勢いで爆発している。容赦なく押し寄せるリズムの波濤、猛烈な不協和音、緩急強弱が不安定に移り変わるピアノは今聴いても斬新で、古びたところがない。1913年8月にパヴロフスクで作曲者のピアノにより初演された際、こんな音楽を聴い...

    [続きを読む](2016.09.03)
  • レパートリーの広さ ピエール・モントゥーについて書かれた文章を読むと、ロシア音楽が得意とか、ドイツ音楽が得意とか、母国フランスの音楽が最も得意とか、いろいろなことが書かれている。そこでいつも思う、「果たしてこの人に得意でない作品があったのだろうか」と。実際のところ、レパートリーが広かったことは、遺された音源が証明している。バッハからメシアンまで、時代にも国籍...

    [続きを読む](2015.07.22)
  •  ジャン・コクトーはレオナルド・ダ・ヴィンチの系譜に属する最後の万能人である。詩、小説、戯曲、評論、絵画、陶芸、彫刻、舞台演出、映画監督、バレエ制作などなど、多方面で大きな功績を残した。人呼んで〈20の顔を持つ男〉。そんな彼にあえてひとつだけ肩書きを与えるとすれば、やはり詩人ということになるだろう。その溢れかえる才能から生まれたオブジェは、言ってみれば全て〈...

    [続きを読む](2011.04.06)
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