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マーガレット・ロックウッドは1940年代のイギリス映画を代表する女優である。当時、悪の魅力を撒き散らしたジェームズ・メイスンがゲインズボロー・ピクチャーズの王座にあるとするならば、ロックウッドは王妃の座にある。美貌も演技力も満点と言っていい彼女は、『バルカン超特急』(1938年)のヒロインとして名を馳せた後、『灰色の男』(1943年)や『妖婦』(1945年...
[続きを読む](2015.12.08) -
デュ・モーリアのファンの間で神品と評されている「モンテ・ヴェリタ」(1952年、『林檎の木』収録)も、2人の男とファム・ファタールの話である。 主人公「わたし」の親友で登山仲間のヴィクターが、不思議な魅力を持つ女性アンナと結婚する。登山に興味を持ったアンナは、ある日、ヴィクターを置き去りにしてモンテ・ヴェリタの山へ向かい、それきり戻ってこなくなる。村人たち...
[続きを読む](2012.01.14) -
ダフネ・デュ・モーリアの最高傑作は何かと問われたら、大半の人は『レベッカ』と答えるに違いない。そのきめ細やかな心理描写と緻密な構成の向こう側に広がるゴシック・ロマンのムードに魅了されない読者は、ほとんどいないだろう。また、この作品は様々な角度から読み解くことが可能であり、そこもまた魅力の一つとなっている。私なら、一度目は普通に読み、二度目は物語の語り手の主...
[続きを読む](2012.01.07) -
眠くても、疲れていても、通勤と退勤の電車の中では読書をすることにしている。本を読まないと、会社と自宅を往復するだけの日常で終わってしまうので、少しでも読んで、ハードで荒んだ現実からは得られないものを吸収しておきたいのだ。2011年の初頭までは比較的時間にゆとりがあったので、帰宅してからもまだ読書をする余力はあったが、会社を移ってからは、家に帰った瞬間に思考...
[続きを読む](2011.12.31)