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  • 優劣をつけない 白鳥の小説は虚無的だと言われる。虚無とは便利な言葉である。そのように言っておけば、なんとなく白鳥の本質を言い当てたような気になれる。しかし、何がどう虚無的なのかはっきりしないし、批評として簡単すぎる。ここではなるべく具体的かつ簡潔に、白鳥文学の特徴を明示したい。 まず、白鳥の小説には甘さや哀れさがほとんどない。たとえ救いのない話でも、そこまで...

    [続きを読む](2024.10.17)
  •  磯田光一の最初の評論集『殉教の美学』は、単に情熱的な作家論というにとどまらず、示唆に富んだ戦後論であり、日本人論である。初めてこれを読む人は、その鋭く殺気立った論調に当惑し、「ここまで断定的に書いていいのか」と思うかもしれない。しかし、底流には豊かな知性が広がっていて、戦後の日本人の思考を読み解く上で非常に興味深いキーワードが随所にちりばめられている。 磯...

    [続きを読む](2012.10.13)
  •  シカゴ響との録音の中では、ベートーヴェンとR.シュトラウスの演奏が傑出している。この2人の作曲家のものなら何を聴いてもハズレはないが、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」、第9番「合唱」、序曲「コリオラン」、R.シュトラウスの『英雄の生涯』、『ドン・キホーテ』、『エレクトラ』(抜粋)、『ドン・ファン』(ステレオ盤)は、同曲屈指の名盤として傾聴に値する。奇を...

    [続きを読む](2011.08.06)
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