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リメイク映画 ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(1982年)はリメイク映画である。原作は1938年に発表されたジョン・W・キャンベルJr.の短編小説「影が行く」で、1951年に初めて映画化された(製作はハワード・ホークス)。手短に言うと、原作は心理サスペンスとして怖く、ホークス製作版はおぞましい地球外生命体が出てくるモンスター映画として怖い。カ...
[続きを読む](2020.07.24) -
ミイラが誕生するまで トーキー初期の怪奇映画といえば、まず『魔人ドラキュラ』(1931年)と『フランケンシュタイン』(1931年)を挙げないわけにはいかない。どちらもユニバーサルで製作されたエポックメイキングな傑作で、公開時に大成功を収め、モンスター映画ブームを巻き起こした。 『魔人ドラキュラ』の原作はブラム・ストーカー、『フランケンシュタイン』はシェリー...
[続きを読む](2018.08.10) -
ミイラが誕生するまで トーキー初期の怪奇映画といえば、まず『魔人ドラキュラ』(1931年)と『フランケンシュタイン』(1931年)を挙げないわけにはいかない。どちらもユニバーサルで製作されたエポックメイキングな傑作で、公開時に大成功を収め、モンスター映画ブームを巻き起こした。 『魔人ドラキュラ』の原作はブラム・ストーカー、『フランケンシュタイン』はシェリー...
[続きを読む](2018.08.10) -
バーバラ・スタンウィックの演技はひとつの理想である。常に軽々と役にフィットし、どんな難役であっても、気構えやストレスを微塵も感じさせない。むしろ難役であればあるほど輝きを増すのである。一例だけ挙げても、『ステラ・ダラス』(1937年)のステラ、『レディ・イヴ』(1941年)のジェーン、『群衆』(1941年)のアン、『教授と美女』(1941年)のオ・シェイ、...
[続きを読む](2014.09.01) -
最も多才な映画監督 ハワード・ホークスはハリウッドが生んだ最も多才な映画監督である。代表作と呼ぶべき作品は十指に余るほどある。いわゆる才人監督が手を染めがちなアート志向の実験作を作ることはなく、テーマは明確、ストーリーテリングも明晰、シャープで力強く、思わせぶりなところがない。テンポも抜群に良く、編集に澱みがない。ユーモアを欠かさずリラックスして軽々と撮って...
[続きを読む](2013.12.06) -
ベッケルとメルヴィル 長編2作目の『恐るべき子供たち』が公開された後、ジャン=ピエール・メルヴィルは映画界から足を洗う決心をした。1950年のことである。当時、メルヴィルは疲れ切り、力尽きていた。そんな彼を再び映画に向かわせたのは、ジャック・ベッケルだった。「......そんな次第で〈シネアック=テルヌ〉のそばのビストロにいて、まさに出ようという時、店の奥か...
[続きを読む](2013.09.21) -
『赤い手のグッピー』の潔癖性 戦時下のフランスで本格的に監督デビューし、大きな注目を集めた天才といえば、ほかにロベール・ブレッソンとアンリ=ジョルジュ・クルーゾーがいる。21世紀の今日に至るまでのフランス映画史を見渡しても、際立って個性的かつ異常な才能を持つ3人がほぼ同時期に世に出てきた、というのは興味深い。その中で、ベッケルは「犯罪映画」を得意にしながらも...
[続きを読む](2013.07.31)