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昔のハリウッド映画のヒーローというと、逞しさと強引さが売りのタフガイを連想しがちだが、実際はスマートでソフトな優男も大勢いた。ジェームズ・スチュワートはそのうちの一人であり、代表的な存在である。彼の繊細そうな表情、穏やかで明るい雰囲気、健康的で愛すべき軽妙なキャラクターは、アメリカの老若男女の心を掴んだ。 主演作は1930年代から60年代まで沢山ある。傾向...
[続きを読む](2021.01.04) -
バーバラ・スタンウィックの演技はひとつの理想である。常に軽々と役にフィットし、どんな難役であっても、気構えやストレスを微塵も感じさせない。むしろ難役であればあるほど輝きを増すのである。一例だけ挙げても、『ステラ・ダラス』(1937年)のステラ、『レディ・イヴ』(1941年)のジェーン、『群衆』(1941年)のアン、『教授と美女』(1941年)のオ・シェイ、...
[続きを読む](2014.09.01) -
フランク・キャプラはアメリカの良心を描き続けた監督といわれる。その楽天的なヒューマニズム、堂々と謳われる正義に、希望や勇気をもらった人は多いことだろう。キャプラの映画では物欲にまみれた金持ちは否定され、貧しい人々の方が心豊かな存在として描かれる。どんな巨悪も小さな正義の前で敗北する。しかし、それが絵空事にしか見えなくなった時、人はキャプラ作品を「卒業」する...
[続きを読む](2012.02.17) -
デュ・モーリアのファンの間で神品と評されている「モンテ・ヴェリタ」(1952年、『林檎の木』収録)も、2人の男とファム・ファタールの話である。 主人公「わたし」の親友で登山仲間のヴィクターが、不思議な魅力を持つ女性アンナと結婚する。登山に興味を持ったアンナは、ある日、ヴィクターを置き去りにしてモンテ・ヴェリタの山へ向かい、それきり戻ってこなくなる。村人たち...
[続きを読む](2012.01.14)