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代表作は『イヴの総て』 ファンを装って大女優に近付き、従順な付き人になるが、やがて本性を現し、周囲の恩人たちを踏みつけて成り上がる女。この女にはモラルのかけらもなく、良心もない。あるのは飽くなき野心と才能のみ。彼女の名前はイヴ・ハリントン。1951年の映画『イヴの総て』の登場人物である。 イヴ(アン・バクスター)はまず大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の友人...
[続きを読む](2022.09.14) -
映画に精通した人 ジョセフ・L・マンキーウィッツは戦後のハリウッドで最も信頼の置けるヒットメーカーの一人だった。知性とユーモアに溢れた才人で、サスペンス、ミュージカル、文芸劇、心理劇、史劇、西部劇と何でも撮り、それらの大半で自ら脚本も手がけた。巨額の製作費を投じた『クレオパトラ』(1963年)が失敗作とみなされてからは評価を落としたが、これも昨今では当時のゴ...
[続きを読む](2018.11.01) -
テレサ・ライトには純情で明るくて一緒にいると楽しそうなアメリカ女性というイメージがある。肩のラインの高い服がよく似合い、肌の露出は少なめで、濃密な色気で男を降参させる感じではないが、可憐でほのかな色気を匂わせるところがかえって男心をくすぐる。かつて彼女のような女性とデートしたい、結婚したいと夢見ていた男性は多かった。日活出身でオペラ演出家の三谷礼二は、その...
[続きを読む](2015.10.27) -
ワイラーとヒューマニズム ウィリアム・ワイラーは1930年代から1960年代にかけて多くの傑作を手がけ、アカデミー賞をはじめとする数々の名誉に輝いた監督である。『ローマの休日』(1953年)と『ベン・ハー』(1959年)の監督というだけでも映画史におけるその存在感の大きさは格別だ。 しかし彼の映画にみられるいくつかのパターンは、必ずしも万人受けするものとは言...
[続きを読む](2015.10.01)