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1951年、エリザベート王妃国際音楽コンクールの開催が決まった際、ソ連政府の役人はスターリンから「必ず優勝を」と命令された。困った彼らは、国際コンクールでの優勝経験がある大演奏家ダヴィッド・オイストラフに相談した。「ソ連のヴァイオリニストの中で、誰なら優勝できるのか?」オイストラフは答えた。「レオニード・コーガンしかいない」――こうして当時27歳だったコー...
[続きを読む](2021.08.01) -
これは天上の生活なのか マーラーの交響曲第4番は1899年から1900年にかけて作曲され、1901年11月25日、作曲者自身の指揮により初演された。第2番「復活」、第3番と同じように、もともと歌曲集『少年の魔法の角笛』に収録されていた曲を転用していることから、3作まとめて「角笛3部作」と呼ばれることもある。 交響曲第4番の最終楽章に使われたのは、『少年の魔法...
[続きを読む](2021.02.05) -
自由に生き、自由に死ぬ ジョルジュ・ビゼーの歌劇『カルメン』は1873年から1874年にかけて作曲され、1875年3月3日、パリのオペラ・コミーク座で初演された。しかし、この初演は失敗に終わった。台本を手がけたリュドヴィック・アレヴィによると、好評だったのは第2幕の「闘牛士の歌」までで、そこからは冷めた雰囲気になっていったという。その後も上演は繰り返されたが...
[続きを読む](2019.04.10) -
勝利の凱歌なのか チャイコフスキーの交響曲第5番は、1888年に作曲された。第4番から11年ぶり、48歳のときの作品である。その11年の間には弦楽セレナーデ、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」、オペラ『エフゲニー・オネーギン』『マゼッパ』、マンフレッド交響曲などが書かれている。また、私生活の面では、他国に滞在することが多くなり、ロシア...
[続きを読む](2015.02.01) -
オーケストラが映し出す昔日のローマ オットリーノ・レスピーギの交響詩「ローマの松」は、師リムスキー=コルサコフ譲りの華やかな管弦楽書法に教会旋法や幻想的な雰囲気をたっぷり盛り込み、独自の作風を鮮明に打ち出した傑作である。作曲年は1924年、初演は同年12月に行われた。当時、レスピーギは45歳。ローマを愛し続けた彼は、その風景の象徴のひとつである松の木を「時代...
[続きを読む](2013.12.19)