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限りないロマンと情熱 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は1806年に作曲され、同年12月23日に初演された。独奏を務めたのは、当時26歳のヴァイオリニスト、フランツ・クレメントである。作曲の際、ベートーヴェンはクレメントに助言を仰ぐこともあったという。当時のヴァイオリン協奏曲としてはスケールが大きく、演奏時間は40分から45分、第1楽章だけでも20分を超え...
[続きを読む](2024.04.07) -
「彼女は心で歌うことを知っていた」 イルムガルト・ゼーフリートは、戦後のウィーンで活躍した「モーツァルト・アンサンブル」の一員である。オペラのみならず、リートやオラトリオでも高く評価されていた人で、かつて同じ舞台に立っていたエリザベート・シュヴァルツコップからは次のように賞賛されていた。「私たちは、皆、彼女のことを羨んでいました。私たちが苦心して身につけなけ...
[続きを読む](2022.04.03) -
一回勝負に賭ける演奏 ヴィルヘルム・フルトヴェングラーが没入を重んじた指揮者だったことは、遺された録音や映像に接すればすぐに分かる。その手記にも、集中と没頭なき芸術が「芸術全般の悲劇の始まり」であると書かれている。彼にとって、単に楽譜に忠実なだけの演奏は非創造的であり、個性的な審美観を振り回す指揮は疑わしいものであった。「私にとって重要なのは、魂に訴えるか否...
[続きを読む](2016.10.19) -
ヴァイオリンが持つ美の力 ヨハネス・ブラームスがヴァイオリン協奏曲を作曲していたとき、名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムが助言を与えていたことはよく知られている。1879年1月、ブラームス自身の指揮で行われた初演でも、独奏を務めたのはヨアヒムである。このヴァイオリニストはマックス・ブルッフとも親交があり、ブラームスより10年ほど前、ヴァイオリン協奏曲第1...
[続きを読む](2016.09.24)