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小西来山は大阪俳壇で名を馳せた人で、井原西鶴の後輩にあたり、上島鬼貫と親しかった。生年は承応3年(1654年)で、家は薬種商。「十八歳にして俳諧点者となる」と記す文献(『時雨集』序)もあるが定かでない。ただし、20代で活躍していたのは確かで、天和元年(1681年)に初の撰集『大坂八五十韻』を出し、元禄期には名声を確立していた。 その来山に「白魚やさながらう...
[続きを読む](2016.01.09) -
生活のリアリティ 織田作之助は19歳の時、三高の『嶽水会雑誌』に発表した初の評論「シング劇に関する雑稿」の中で、「単なる観念でも、象徴でもない、リアリティとは、我々の認識せるものの姿である。これを表現するところにリアリズムの頂点がある」と書いている。この考えは織田が常に意識していた汎用的指針であり、登場人物の思想や信条よりも生活について細かく書くのは、彼にと...
[続きを読む](2015.05.16) -
ルポルタージュの開祖とも言われる松原岩五郎の作品は、『最暗黒之東京』以外、ほとんど忘れられている。小説を書いていたこともあまり知られていない。しかし明治時代に松原が小説の分野で果たした役割は決して小さなものではなかった。彼はどんな文学観を持ち、自国の文学や海外の文学をどう摂取し、どのような作品を残したのだろうか。 まずは明治24年(1891年)5月16日に...
[続きを読む](2011.12.17)
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