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1968年は怪奇映画・怪談映画が豊作だった年で、『怪談バラバラ幽霊』、『怪談おとし穴』、『怪談 蛇女』、『怪猫 呪いの沼』、『吸血鬼ゴケミドロ』、『蛇娘と白髪魔』などが次々と公開された。『ゲゲゲの鬼太郎』がアニメ化されて人気を博し、いわゆる〈妖怪シリーズ〉の『妖怪大戦争』、『妖怪百物語』が観客を集めた年でもある。 山本薩夫監督の『牡丹燈籠』も同年の上映作品...
[続きを読む](2018.08.04) -
オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』の中に、テオフィル・ゴーティエの『七宝螺鈿集』の詩を引用している箇所がある。「もりあがる調べにのりて/胸より滴るは真珠の雫」ーーこれを読んだ私はゴーティエに興味を抱き、近所の市立図書館で岩波文庫の『死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇』を見つけると、時間を忘れて読みふけった。その間、立ち読みの状態で、時代をさかのぼり...
[続きを読む](2016.04.02) -
実験と娯楽 「なにを始めるかわからないと評判の市川崑」ーー1957年に公開された『穴』の予告編に出てくるキャッチコピーである。これほど市川崑という監督のスタンスをわかりやすく言い表した言葉はない。ベネチア国際映画祭サン・ジョルジオ賞を受賞し、アカデミー外国語映画賞候補にも挙がり、市川崑の名を知らしめた『ビルマの竪琴』。女子大生に睡眠薬を飲ませて犯す場面が話題...
[続きを読む](2012.10.18) -
日本の監督で、女優の魅力を引き出すのが最もうまいのは誰か。この問いに対し、成瀬巳喜男や木下惠介と答える人は、おそらく吉村公三郎の名前を知らないか、忘れている。成瀬も木下も女心のひだを撮る名手として知られているが、起用する女優は大体いつも同じだった。しかし、吉村は全くタイプの異なる女優を次々と主役に据え、その持ち味を発揮させる、まさに「女優映画」の達人だった...
[続きを読む](2011.03.25)