タグ「佐田啓二」が付けられているもの

  • 『木石』と『新雪』 1940年代の作品には、舟橋聖一原作の『木石』(1940年)、藤澤恒夫原作の『新雪』(1942年)などがある。『木石』は伝染病の研究所が舞台で、いつもの庶民派映画という感じはしない。ただ、『木石』で赤木蘭子扮する厳格な女性は、「悪意のない身勝手な男により、苦しい思いをする女」という五所作品らしい女性像に当てはまる。 その後、五所は大映に移...

    [続きを読む](2020.09.18)
  • 人のいとなみを見つめる 昔、小津安二郎の映画を観たときは、まず台詞の独特のテンポ、ロー・ポジションのカメラ、空間と人物の統制された構図、衣装や調度品のお洒落さに目がいったものである。ほかの監督の映画と比べて変わっているところに関心が向いたのだ。当時は人物の描き方やストーリーに共感することはほとんどなく、『麦秋』(1951年)も『東京物語』(1953年)もよく...

    [続きを読む](2015.01.21)
  •  理想のお弁当とは何か。人によってカロリーとか、マクロビオティックとか、新鮮さとか、判断基準はいろいろだろうが、おそらく多くの人が重視するのは、値段、味、量、安全性だろう。 ある程度お金を払えば、味と量と安全性のハードルをクリアすることは難しくない。ただ、やはり限度額というものがある。私の場合、旅に出て解放的な気分になっていても、臨時収入があった直後でも、1...

    [続きを読む](2012.04.07)
  •  昭和20年5月24日、東京大空襲の夜に出会った男と女。2人は名を告げることなく、数寄屋橋の上で半年後に会うことを約束する。それが長く険しい悲恋の道の始まりとも知らずに......。 やがて戦争が終わり、約束の11月24日を迎えた。橋の上では男が女を待っている。同じ頃、女は佐渡で不本意な結婚を迫られていた。ようやく2人が会えたのは、さらに1年が経ってからのこ...

    [続きを読む](2011.07.01)
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