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  •  昭和2年、雑誌『改造』が改造社創立十周年を記念する懸賞創作募集の告知を載せた際、1330編の作品が寄せられた。翌年、一等作品として十周年記念号(昭和3年4月号)に華々しく掲載されたのは、龍膽寺雄の小説「放浪時代」。モダンガールを登場させ、当時の風俗を活写したこの作品は「思想がない」と批判されながらも、大きな話題をさらった。 その反響(改造編集部は「百萬讀者...

    [続きを読む](2018.06.16)
  • 竹内仁の立場 竹内は「リツプスの人格主義に就て ー阿部次郎氏のそれを批評する前にー」の中で、テオドール・リップスが理想とした人格の条件について次のようにまとめている。 まず第一に、「それ(人格)を構成する一々の内容(内面的性質)が悉く強烈を極めたもの」であること。「弱小なる内容を有して秩序整然たるを得る『虫も殺さぬ善人』よりも、高き動機と低き動機とがともに強...

    [続きを読む](2013.09.14)
  • 竹内仁の生涯 竹内仁(たけのうちまさし)は、1898年8月8日、松山に生まれた。評論家の片上伸は14歳上の兄である。1905年5月、6歳の時に母を亡くし、北海道の根室に移住。その後上京して片上家に住み、早稲田中学校を卒業。1916年、仙台の第二高等学校に入学し、竹内家の養子となる。当時から頭脳明晰で知られていた。 1919年、東京帝国大学法学部政治学科に入学...

    [続きを読む](2013.09.07)
  •  1955年、『文学界』に発表された石原慎太郎の「太陽の季節」は、一大センセーションを巻き起こした。1956年1月には芥川賞を受賞、同年5月公開の映画も大成功、加えて石原自身の人気も手伝って、反響は文壇内にとどまらず、太陽映画ブーム、慎太郎刈り、そして「太陽族」(大宅壮一)なる造語まで生まれた。マスコミに「芥川賞の学生作家」と華々しく取り上げられたり、「もう...

    [続きを読む](2011.03.05)
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