タグ「島津保次郎」が付けられているもの

  • 『マダムと女房』と『伊豆の踊子』 五所平之助はロケ先でキャラメルや南京豆、焼き芋を買い込んで、皆と一緒に食べることを好んだという。特に好物だったのが焼き芋で、その理由について、「私は焼いもの庶民的な土の香りが好きで、栗より美味いという、素朴な、心をゆたかにうるおしてくれる母心のような風味は忘れられない」(「焼いもとドーナッツ」)と書いている。 そんな彼自身の...

    [続きを読む](2020.09.12)
  •  八雲恵美子といえば、戦前の松竹蒲田を代表するスター女優である。単に美人の枠で括ることが憚られるほどの美人で、「夜光珠の如き美しさ」と評されたこともあるが、映画の中ではしばしばドラマティックな役を演じ、その整った美貌に女性らしい深い情を滲ませて、観客を魅了した。小津安二郎監督の『その夜の妻』(1930年)や『浮草物語』(1934年)を観ても、情熱的な芯を持っ...

    [続きを読む](2014.12.19)
  •  戦前の松竹の三羽烏といえば、佐分利信、上原謙、佐野周二である。島津保次郎監督の『婚約三羽烏』(1937年)に出演した3人は、一時期、主役を分け合うようにして多くの名作に出演していた。 この中で、女性のみならず男性も憧れるような風格、貫禄を備えた大スターといえば佐分利信だろう。戦前から戦後にかけて50年以上、現代劇を中心に存在感を示し、後輩スターが台頭してき...

    [続きを読む](2014.02.03)
  •  高峰三枝子は筑前琵琶の高峰流宗家、高峰筑風の長女として生まれた生粋のお嬢様である。17歳の時、父親が亡くなり、家族を養うために映画界入りを決意。1936年に女優デビューし、やがて昭和を代表する名女優になり、半世紀以上にわたって活躍した。「歌う女優」としても有名で、「山の淋しい/湖に/ひとり来たのも/悲しい心」の歌詞で知られる大ヒット曲「湖畔の宿」は彼女の持...

    [続きを読む](2013.08.29)
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