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  •  昔、絵画教室の番組を見ていたことがある。講師は外国人の画家で、よく喋る人だった。その音声のせいで絵を描いている音が少ししか聞こえない。それが不満だった。私は絵を学ぶのではなく、絵筆とキャンバスが接する音を味わうことを目的として見ていたのだ。 特定の音を聞いてゾクゾクすることがある。聴覚から官能をくすぐられるのだ。こういった反応を「Autonomous S...

    [続きを読む](2020.03.28)
  •  昭和20年5月24日、東京大空襲の夜に出会った男と女。2人は名を告げることなく、数寄屋橋の上で半年後に会うことを約束する。それが長く険しい悲恋の道の始まりとも知らずに......。 やがて戦争が終わり、約束の11月24日を迎えた。橋の上では男が女を待っている。同じ頃、女は佐渡で不本意な結婚を迫られていた。ようやく2人が会えたのは、さらに1年が経ってからのこ...

    [続きを読む](2011.07.01)
  •  今や絶滅した和風美人の代表、新珠三千代。「たおやか」とはこの人のためにある言葉ではないかと思わせるほど、そのたたずまいは楚々としていて、優美で、女らしい。体の線がしなやかで、着物姿のときなど、首がとても色っぽくみえる。一方で洋服もよく似合い、新進デザイナーだった頃の森英恵による衣装を着こなすそのセンスとスタイルの良さは、1950年代の日本女性にはあまり見ら...

    [続きを読む](2011.02.27)
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