音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • 初めて目にしたのは、レコード屋に並んでいたアルバムのジャケットだったのか、『NME』や『Melody Maker』の誌面だったのか、曲を聴く前にまず、〈SIOUXSIE〉という謎めいた名前にものすごく強烈なインパクトを感じたことを覚えている。そもそも読み方が分からなくて、ネイティヴ・アメリカンのスー族に因んでいることを知ったのは、随分あとになってからだ。とに...

    [続きを読む](2017.06.15)
  • ブリットポップを象徴するカップルだったブラーのデーモン・アルバーンとエラスティカのジャスティーン・フリッシュマン。ふたりの破局がブラーの名盤『13』(1999年)のカタリストのひとつとなり、「テンダー」や「ノー・ディスタント・レフト・トゥ・ラン」といった名曲を生んだことはご承知の通りだが、間接的とはいえ、このカップルの別れがもたらした副産物がもうひとつある。...

    [続きを読む](2017.05.18)
  • バンド内恋愛は厄介だ。公私にわたるパートナーとして長年仲睦まじいカップルがいないわけじゃない。破局してもクリエイティヴな関係を維持するカップルもいる。でもABBAのように縁の切れ目がバンドの切れ目となり、カップルの破局と共に解散してしまうケースも多々ある。いずれにせよ、そういうドロドロした内情をさらす名曲・名盤は、我々ファンの下世話な興味をしばしばかき立てて...

    [続きを読む](2017.04.16)
  • 2017年2月に開催された第59回グラミー賞で、かねてから注目を集めていたジョージ・マイケルのトリビュート・パフォーマンスに起用されたのは、ほかでもなく、この夜の主役となるアデルだった。歌ったのは「ファストラヴ」。1996年に発表したサード『オールダー』(全英最高1位)からの、2曲目の全英ナンバーワン・シングルである。途中で自らミスを認めて、改めて歌い直すと...

    [続きを読む](2017.03.26)
  • ヨーロッパのミュージシャンにとってアメリカはひとつの理想であり、ゴールであり、時にして憂慮というか疎ましさというか、反感の対象にもなり得る。U2はまさに、そういうアメリカとの複雑な関係性を体現するバンドだ。中でも5作目『ヨシュア・トゥリー』(1987年/全米・全英最高1位)には相反するアメリカ観が完璧なバランスで混在しているのだが、面白いことに、若い頃に彼ら...

    [続きを読む](2017.02.19)