音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

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  • 「ちょっと話したいことがある。というのもラナ・デル・レイが新作を発表したから。これがまた素晴らしくて、すでに知ってるだろうけど、とにかくハンパじゃない。今現在最高のアーティストだと思っているし、私たちはこのアルバムをサポートすることを最優先事項にするべきだと思う」これは、ラナ・デル・レイの最新作『Did You Know There’s A Tunnel U...

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  • ちょうど2022年の今頃、筆者が購読している『The New Cue』(休刊になった英国の音楽雑誌『Q』の編集者たちがローンチしたニュースレター)を読んでいたら、次のような一文があった。〈We’re extremely excited to announce that on Saturday 28 May the country’s greatest sin...

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  • 多くの音楽ファンにとって、アーサー・ヤノフという名前と引き合わせてくれたアルバムと言えば、ジョン・レノンの初のソロ作『ジョンの魂(John Lennon/Plastic Ono Band)』(1970年)であり、殊にオープニングを飾る曲「マザー」なのではないかと思う。主に伯母に育てられた彼は、両親の不在というトラウマを抱えたまま大人になり、一時期、アメリカ人...

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  • テリー・ホールにプライマル・スクリームのマーティン・ダフィ、アソシエイツのアラン・ランキン、モデスト・マウスのジェレマイア・グリーン、そしてこの原稿を書き始める数時間前にはジェフ・ベックと、相次いでミュージシャンの訃報が届いたこの年末年始。さすがに誰かを追悼する原稿にしたいと思って、筆者が唯一会ったことがある人――2022年12月23日に65歳で亡くなったマ...

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