音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • モービーことリチャード・ホールが作る音楽には孤独感が漂っている。「人恋しさ」とも言えるんだろう。誰かとつながろうとして手を差し伸べているかのようなセンチメンタリティ、ある種ノスタルジックな感覚にも近い。そう最初に強く感じさせたのが『プレイ』だった。それはもしかしたら、このニューヨーカーが一人っ子で、2歳の時に父を亡くし、本作を発表する3年前に母も病気で失って...

    [続きを読む](2013.10.21)

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