音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • ノー・ダウトのキャリア最大のヒット・シングル「ドント・スピーク」(1996年)は、シンガーのグウェン・ステファニーとベースのトニー・カナルというバンド内カップルの別れを題材にした、悲しいバラードである。なのに、ミュージック・ビデオに描かれていたのは面白いことに、別のブレイクアップ――バンドそのものの分断だった。長年の下積みを経てこの1枚前の前のシングル「ジャ...

    [続きを読む](2021.12.22)

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